出版社内容情報
藤子・F・不二雄の、ちょっと変わった味わいの作品を集めた異色短編集。SF的手法と鋭い風刺精神を存分に発揮し、大胆かつ繊細な構成で不可思議世界を描き出す。「藤子美学の世界」に、どっぷりと浸かれる作品集!
▼第1話/定年退食▼第2話/サンプルAとB▼第3話/休日のガンマン▼第4話/分岐点▼第5話/換身▼第6話/気楽に殺ろうよ▼第7話/ウルトラ・スーパー・デラックスマン●登場人物/句楽兼人(日星商事のサラリーマン。その正体は「正義」の味方、ウルトラ・スーパー・デラックスマン)。片山(日星商事のエリートサラリーマン。句楽の古い友人)。(第7話)●あらすじ/みどりとの挙式を来週に控えた平凡なサラリーマン・海野五郎は、ある日、2人組のヤクザに連れ去られてしまう。拉致された五郎は不思議な薬によって、新しい人生を送りたがっていた暴力団組長と身体を交換されてしまう。組長は五郎の身体のまま、みどりとのデートに出かける。一方、暴力団組長と身体を交換された五郎の方は……(第5話)。▼世の中にあふれているドス黒い悪に憤りつつも、成す術もなかった平凡なサラリーマン・句楽兼人は、ある朝、突然手に入れた超能力で「正義の味方」ウルトラ・スーパー・デラックスマンに変身した! 暴走族から政財界の黒幕、公害企業まで、ありあまる「悪」に鉄拳を浴びせ続けた彼だが、いつの間にやら周りの反応は……(第7話)。
<ご注意>発売から長い年月を経ている商
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
76
視点を変えれば、今まで見えていなかったものが見えてくる。宇宙人から見たり、別の人生で見たり、人が入れ替わって見たり、超能力者から見たり。そんな視点が、不思議な世界を生み、今の自分を見つめ直すきっかけとなる。「定年退食」は、人生の定年が定められた未来。あながちSFでもなく現実になりそうな世界。「サンプルAとB」は、宇宙人がレポートするロミオとジュリエット。絵は藤子さんでなく少女マンガタッチ。それが何とも面白い。このシリーズ、6巻まで出ていたらしいが、私が持っているのは3巻まで。残りのマンガも読みたいなぁ。2021/09/15
海猫
60
「サンプルAとB」宇宙人が観察した「ロミオとジュリエット」。少女漫画絵が効果的。センチメンタルな情感も良い。「休日のガンマン」F先生の西部劇愛炸裂。現実が入り込んで痛快!とは、いかないのが悲しい。「分岐点」人生どこでどういう判断をすればいいのか?じゃ、やり直せば上手くいくのか?考え込んでしまう。「換身」異色短編集の中ではコメディ的に楽しい。最後の警官の台詞が時代を感じるね。「気楽に殺ろうよ」この手の価値観揺さぶり系の話、大好き。常識ってなんでしょうね?「ウルトラスーパーデラックスマン」見た目が小池さんだ。2021/03/25
sin
31
再読:)つい先日読んだマクロイの『歌うダイアモンド』の収録作“ところかわれば”と、ひねってはいるがこの本の“気楽に殺ろうよ”が同じ作品と言っていいのでは?発表年代からしてマクロイの作品を下敷きにされたのであろうか?当時マクロイの作品が訳出されておらず原書も手に入らなかったとすれば同じ発想をされたということも十分有り得るが、作中に火星人の例えを出しておられるところから既にこの作品に触れていたことが伺える。そうすると各作品にはインスピレーションのもととなった作品が在るのではとその点においても興味が尽きない。2015/03/08
かやま
3
あーこれ『ロミオとジュリエット』だったのね。昔読んだとき気づかなかった(気がする)。珍しいF先生の原作物。他だと『換身』が良かった。比較的黒めな一冊。2022/04/22
まこちん
2
気軽に殺ろうよ!がオチも流れも素晴らしかった。 すこしふしぎというがすこしどころじゃない2015/09/02