出版社内容情報
泰平の徳川時代。華やかな歴史舞台の裏側で厳しい封建社会を生き抜く者たち。彼らの喜び、悲しみ、そして怒り。悠久とゆるやかな歴史の鼓動が聞こえる感動の超大作第2部。
▼猿山〔一〕(カミナリ/孤猿/伏兵/旅立ち/恋鳴き/逃げ水/帰還)●登場人物/カミナリ(第一位のボス猿。メスたちからの信頼も厚く、確固とした地位を保つ)、ダルマ(第二位のボス。おっとりした性格)、キズ(第三位のボス。気性の激しい性格)、歯ッカケ(第四位のボス。四匹の中で一番若い)●あらすじ/領地没収になった日置藩領内に、廃城をねぐらにする猿の群れがあった。カミナリという第一位のボスを筆頭に四匹のボス猿たちが群れを統括し、秩序もしっかりと保たれていた。そんなある日、群れのテリトリー内に一匹のよそ者が現われる。まずは、第二位以下のボス猿たちがこの猿を撃退するために立ち上がったのだが、あっけなくやられてしまう。三匹のボスが敗退するのをじっと静観していた第一位のボス、カミナリがついに腰を上げた。河原でじっと睨み合う二匹の猿だが、やがて何を思ったか、よそ者の猿は森へと帰って行ってしまう。しかし、その後も群れの近くにつかず離れずで居座り続けるこの猿に、群れは不吉な何かを感じ取っていた……(猿山〔一〕)。
感想・レビュー
-
- 和書
- 霊訓 〈続〉