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出版社内容情報
▼第10話/バードウィーク▼第11話/雨のち晴れ▼第12話/砂の城▼第13話/おやすみなさい▼第14話/月となると▼第15話/ウィスキーボンボン▼第16話/素晴らしき世界▼第17話/あおぞら▼第18話/春風▼最終話/桜の季節●あらすじ/コウタ少年は、医者の父親から「父さんのようにエリートになれ」と勉強漬けの日々を送らされてきた。反発した彼は、とある英才教育塾から普通の塾に移り、テスト用紙を折り紙にしたり人生について語ったりしてみるが、隣の女の子からは「キミって子供だね」と言われてしまい…(第10話)。▼浪人生のタエは、なぜか毎年梅雨の時期になると家出を繰り返す。そして今年もその時期を迎え、タエの様子がおかしくなってきた。父母のいないこの家で、家族の面倒を見ている看護婦の姉や大学生の兄は、そんなタエを心配しながら見守っていたが、今年もやはりプイッと家出してしまう(第11話)。●本巻の特徴/アル中のOL、小学生時代を懐かしむ女子中学生、リストラ寸前の雑誌編集長と父親になったばかりで戸惑う編集者、屋台ラーメン屋のオヤジ、やる気のないコンビニ店員、心やさしき浮浪者など、本巻も多彩な面々が登場するオムニバスコミック。最終話に向けてキーとなるキャラクターとして、死神(?)なども登場。人々が暮らす街に蔓延し始めた、ある幸せな奇病とは…?
浅野 いにお[アサノ イニオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
85
完結。連作短編集で、2002年にあったモラトリアムな雰囲気が作品に詰まっていた。後半からファンタジーな雰囲気になり、桜の景色と共に物語が収束し、終わった。このまま世界が続けば良いのに…というのは、見方を変えれば、一つの呪いになる。捻くれた著者だけど、前向きに素晴らしい世界だと肯定するのは良いかもしれない。作中にあるポエムを含めて、若い時にしか書けない恥ずかしさと青さがあった。なんていうか20代って感じの作品でした。2024/07/10
RYOyan
14
最終話でうわーぁんと来た。季節のある国に生まれて良かった。これ最初読んだ時、20代で老成してしまったかのようなこの感覚か・・・と、若干違和感を感じたけど、改めて読んでみたら、いにおニズムの原点みたいなものを見つけた気がして新鮮だった。2015/10/04
a
12
下巻の終盤は浅野いにおらしい退廃的なSF要素が強くなっていました。上巻で唯一、変化がないことを幸せだというオチをおいていて違和感のあった「untitled」の登場人物を、最終話「桜の季節」でああいう形で持ってくるのはニクいなぁと思いました。主人公の男は、作中一番辛い状況だなぁと思いつつ…見開きで彼女が桜を触れるシーンは感動的でした。この、刹那的な美しさを感じる瞬間があるからこそ、人は生きられる、いや、生きたいと思うんでしょうね。浅野いにおの言葉を借りれば、生きていればきっと、いつかどこかでいいことがある。2015/09/11
九鳥
11
こっちの話では一見悩みなんてなさそうな人、に別の話では別の角度から視点が当たるのがいいな。このままゆるく曖昧に幸せで不幸な感じのまま進むのかと思ったら意外な結末。読後にタイトルがまた余韻を残す。2009/09/21
多田幾多
8
たとえ昔の記憶が美しくても、いつまでも過去にしがみついていたら前には進めない。だから前へ進もう。この下らなくって不条理で、愛おしい、素晴らしい世界とともに…2013/04/01