出版社内容情報
時は平安、信濃国逸奈里(しなののくに いつなのさと)。大切な家族を理不尽に奪われた少女・十鴇(ととき)は、悲しみ、恨んで、復讐を誓い、山中の禁足地に封印された邪妖を頼る。闇のなかから彼女に手を差し伸べたのは、美しくも禍々しい邪妖──白妖だった。(上巻)うねる黒髪に劣等感を持つ少女・十鴇は、通りすがりの青年・葛城直と出会って、少しずつ心を通わせていた。そんな時、貴族の横暴で最愛の家族を失ってしまう。貴族を憎み、この世を憎んだ十鴇は復讐を誓い、封じられた邪妖を頼り──? 絢爛たる筆致で描かれる、新解釈『玉藻前伝説』!! (下巻)家族の仇を討つために、白妖の器となることを選んだ十鴇。白妖の力を借りて、宮中でのし上がり、ついには父と姉の仇を討つことができた。一方で、直は白妖と十鴇を結んだ自分を責め、白妖を再び封印する術を探り始めるが──? 九尾を持つ美しき妖狐にまつわる幻想伝奇ロマン!!