出版社内容情報
生涯未婚率の上昇、事実婚、シングル親、同性婚、ステップファミリー、ルームシェアする疑似家族、毒親…。変遷し多様化する日本の家族状況と家族観を掘り下げるエッセイ。
内容説明
親が好きですか?子供が好きですか?夫婦で同じお墓に入りたいですか?帰りたい家はありますか?一緒に暮らしたいのは誰ですか?毒親からの超克・「一人」という家族形態・事実婚ってなあに?…他、日本の“家族”を考える全18章。
目次
パパ、愛してる
我が家の火宅事情
「嫁」というトランスフォーマー
自分の中の祖母成分
生き残るための家事能力
家庭科で教えるべきことは?
心配されたくて
修行としての家族旅行
呼び名は体をあらわす
長男の役割
お盆に集う意味
親の仕事、子供の仕事
世襲の妙味
毒親からの超克
「一人」という家族形態
疑似でも家族
事実婚ってなあに?
新しい家族
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京都生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。立教大学社会学部観光学科卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョコ
84
未婚の酒井順子さん、ご両親も亡くなっていて、お兄さんも亡くなり生育家族が無くなったという事での家族終了。家族についての酒井さんのエッセイ。そうそう!と共感しかり。両親が健在なうちにしっかり生育家族を味わっておこうー!2022/01/13
Kei
81
オリーブ時代から、著者を読んでいます。東京山の手のコンサバなお嬢さん。丁寧な筆致で好感が持て、負け犬の際も、なるほどなぁ、と。コアなファンだけでなく、全国区になって、嬉しいばかりでした。が、こんな火宅があったなんて。ウチの母親と同じで、女は、一生家事をするから、する必要ない、って。全く手伝わせなかった。(笑)著者は、兄も早逝。家族を考えますね。コンサバとラジカル!ラジカルと言わず、普通になるかも。いや、なりつつありますね。生まれながらの、家族、自ら選択する家族。人はみな孤独でありながらも繋がっています。2019/05/30
ゆきねこ
78
酒井順子さんはその時代の最先端を教えてくれます。自分の家族についての記述があり、筆者の背景を知ることができました。「家族終了」は、筆者自身の家族が亡くなったことと、昔の型にはまった家族は終了すべきという希望を表しています。女性の地位が先進国の中で最下位に近いということも、嫁制度、家父長制度が元凶なのではないでしょうか。専業主婦が得をする税制、社会保障制度もまるっきりおかしい。少子化で困るのは、自分の年金を確保できない将来の老人たちだけかも。結婚しなくても子供がいなくても生き生きと暮らしていける国にしたい。2020/07/18
sayuri
76
家族に纏わる18のエッセイ。文章がその人の全てを表しているとは思わないが、本作も非常にクールに物事を捉えている印象を受けた。自分が生まれ育った家族の事を「生育家族」結婚などで作られた家族の事を「創設家族」と呼ぶ事を初めて知った。両親、お兄さんが他界され、結婚もされていない酒井順子さんの「家族終了」の言葉にドキリとする。「生涯未婚率」の上昇は耳にしていたがその数値に驚き事実婚、シングル親、同性婚、ステップファミリー、ルームシェアする疑似家族、毒親問題など、多様化する家族の形態に家族の在り方を考えさせられた。2019/04/11
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
73
タイトルに惹かれて手に取った1冊。父母、そして兄がなくなり「生育家族」が自分1人になった著者。その「生育家族」がいなくなり、今回初めてお母さんの家宅事情が赤裸々に語られている。お母さんのことが著者の結婚観に影響を与えているのは間違いないだろう。時代の変化によって、所属より自由を優先するなど家族の在り方に変化が進むのはしかたがないが、昭和人間には少し寂しい。家族について綴った1冊。2020/01/18
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