出版社内容情報
江戸時代の堂島米市場から戦後の証券市場の復活、バブル時代の活況まで日本の証券市場の歴史がわかる決定版! 今の日本経済の基礎をつくった知られざる男たちのドラマに読み応えあり。カラー図版入り。
内容説明
江戸時代の堂島米会所から明治期の取引所設立、戦後の証券市場復興とバブル期の隆盛まで、「証券市場の歴史」決定版!世界初の先物市場は17世紀に大阪米市場から生まれた。将軍さえも思いどおりにはできなかった米市場の実態とは?明治維新後の動乱期に、証券所設立のために政府と民間の立場を超えて協力した渋沢栄一や今村清之介、田中糸平。彼らの生涯とは?戦後のGHQとの証券市場復活交渉における意外な秘話や、バブル期のエネルギーあふれる市場の活況まで、人と人のつながりが育ててきた証券市場の物語。
目次
1 江戸期―証券取引の夜明け(米は大坂を目指す;蔵屋敷と米切手;大坂米市場の概要 ほか)
2 明治・大正期―兜町と北浜(明治初期の堂島米会所;取引所設立の背景―武家の退職手当(秩禄公債・金禄公債)の売買
取引所設立の背景―生糸と洋銀取引と明治期の新しい経済人 ほか)
3 昭和期戦後の証券市場復興と隆盛(戦争下の兜町(昭和20年)
終戦―新円交換と集団売買(昭和20~24年)
「国民一人一人が株主に」―その1 財閥解体・財産税の物納・特別機関解体 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
okadaisuk8
5
米現物ではなく証券化した「米切手」を扱うことから「世界初の『先物』証券取引市場」と位置づけた江戸時代の米取引所(大坂)から、戦前戦後の取引所の歩みを描く。割に人物に焦点を当てて書かれていて、渋沢栄一や糸平など、名だたる経済人がそれぞれ激動の時代に証券市場を確立しようと動く様子や、戦前の兜町の様子の描写などが楽しく、胸躍る。バブル崩壊後の描写が無いのは残念。まだまだ元気な人も多い関係者に配慮したのだろうか。 2018/01/24
スプリント
4
証券市場の歴史から証券取引所での営みまで知らなかったことが多く勉強になりました。2018/01/30
p31xxx
3
シュロ縄の火が消えるまでの「つかみ合い」方式の取引、維新後に公債取引で胴元になって一儲けしようという糸平・島清、GHQに再開のため日本画を贈った逸話など、想像の及ばない話題に事欠かなかった。日本史ファンにとって楽しい本だろうと思う。2018/02/14
真魚
1
極めて良書。大学に至るまでの歴史の教科書では全く触れてもらえず、実務上の興味から断片的に自習してきた事柄が盛りだくさん。一つ一つが結構掘り下げてある。これぞ一番読みたかった歴史書。元来明治維新の時代説明には田中平八や今村清之助は書かれるべきだ。本書は、取引所の立場から、素直で、分かりやすく整理された編集で読ませてくれる。前半は特に良い。ここまでまとまった江戸期の相場事情はなかなか読めない。出典一覧も大変うれしい。実務実益とは直接関係しないけれど、日本の本当の歴史と証券の世界を素直に述べた素晴らしい本。2019/04/19
くまこ
1
分かりやすくて面白かった。2018/09/05