出版社内容情報
趣味のウォーキングで意気投合し、付き合い始めることになった中川とミサキ。しかし、恋愛に対してコンプレックスを持つふたりは、なかなか体を重ねられずにすれ違っていく…。ピュアなふたりの行き着く先は、果たして──
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
135
kindle unlimitedにて読了。ウォーキングが共通の趣味の中川とミサキは付き合い始める。二人とも過去の恋愛に苦い想い出があり、なかなか進展しない関係。不器用だけれども、誠実な二人に好感がもてる。星里もちるさんのハートフルな展開。そして画がとても好きです。これからの二人の幸せを感じるラストにほっこりします。巻末に読み切りもついてますが、青春と夢の切なさを描いた良作です。星里もちるさんは、もっと多くの方に読まれて良い作家さんだと思う。最近はあまり作品を描いていないかも。これからも注目の作家さんです。2017/05/01
匠
124
お互いそれぞれ性に関してのトラウマを持つ男女が出会い、偶然二人ともウォーキングが趣味だと知る。生真面目で恋にも不器用な二人が、真夜中の道や夜明けの道を歩き続け、本当に歩くような速度や道のりを超えてようやく想いを成就させていくまでの物語。脇役であるさばけた同僚の男女がなかなか面白い。でも彼らのアドバイスより、自分達のやり方で静かに距離を縮めていく様は好感持てた。読み切りの「晴れた日に遠くが見える」は女の子の九州弁がとても可愛かった。そしてみつめている先に見えているモノの二人の違いが、ほんのりと切なかった。2013/06/03
ぐうぐう
12
恋愛に不器用な男女は、星里もちるの漫画には定番のキャラだが、今作の特徴は、セックスに対してトラウマを抱えた男女を設定していることだ。歩くことが趣味のカップルが、それこそつまづき、遠回りし、でも少しずつそれぞれのトラウマを克服し、二人の距離を縮めていく展開がいい。ただ、流暢すぎるネームが、星里漫画を読み続けてきた読者ほど、厭きを招いてしまっているのも事実。うまさがもたらせる、そのもどかしさをどう克服していくかが、星里もちるの今後の大きな課題だと思う。2012/01/16
こたた
9
週刊プレイボーイの別冊とやらが初出になっているようで、内容も若干に若干の縛りが見受けられる。しかし縛りを上手に利用しているフシもある。恋に臆病で無知な男女と、二人を取り巻くフリーセックスの世界。この対比が主人公の男女に愛しい奥ゆかしさを感じさせる。タイトルは言うまでもなく『夜のピクニック』のもじり。本作において「歩く」とは「スローに距離を縮める」本質そのものである。表現方法については、描画には更に幅が生まれ、コマ割りにも惚れ惚れとさせられた。端的なテーマをコンパクトにまとめる技術はさすが星里もちる。2012/01/27
kei@名古屋
9
もちるさん二連発目。逆にこういう恋愛をしたいと思う今日この頃だったり。じれったいじれったい(中森明菜風)2011/12/19