星の時計のLiddell 〈2〉

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星の時計のLiddell 〈2〉

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  • サイズ A5判/ページ数 180p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784087821031
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0079

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

おりん

16
相変わらず美しく幻想的だが、非現実へ逃避しているわけでもなく、無呼吸症候群についての科学的な解説、環境問題、哲学なども挟んで虚構と現実の間を行き来してる感じ。要するに近現代的なファンタジーの形をしていて、知的でクール、かつ美しい雰囲気を放つ。ただやはり完全に理解するのは難しい。そこがミステリアスな魅力にも繋がっているとは思うんだけどね。すでに二回読み直してしまったよ。2019/01/02

IENEKO

5
「私たちとはちがう人間」とヴィーが言い、葉月たちが探す「予感」そのものであるヒュー。ヒューに対してウラジーミルが感じる恐怖は『空の色ににている』で語られた「無限」に対する恐怖と同じものだろう。内田善美は宇宙や人の想いや死など、なにか巨大なものへの畏怖をよく描く。畏れながらもその傍にあり続けるウラジーミルもまた、ちょっと違った人間のような気がする。表紙絵の地球を胸に抱くヒューの姿が暗示的。そして、葉月は今もまだきっと「人間に生まれてきたことが哀しい」と思っているのだろうな。 2012/10/22

Fumitaka

4
だんだん夢の少女に近づいていく。「少女漫画の絵」から厚みのある絵に移り変わり、さらに作者の知識量を感じさせる様々な作品の引用を含めた文章。漫画が「総合芸術」だと思い出させられる。内田善美先生お願いですから他の作品も含めて復刊してください。あと文句なしに美しい登場人物たちの顔もそうだが挿まれるギャグっぽい場面の顔が実にいい。こういった多様な要素が内田善美先生の絵の中に織り込まれ完全に溶け合うことなく一つになっている。あと風景がいいですね。ちゃんとアメリカっぽい。この「ぽさ」は舞台装置の不可欠の機能だ。2023/05/08

たこい☆きよし

3
ヒューの見る夢の本質が徐々に明らかになっていく。その夢にまつわるアイデア自体は本作が描かれた時点でもある程度手垢のついたものだったかもしれない。そこへ、ヒューとウラジーミル、ヴィや葉月と言った人物の背景、内面にからむさりげなく哲学的な会話が彩ることで、ヒューと夢の接近への静かなサスペンスが際立つ。時折はさまるちょっとしたユーモアもいい。2023/01/02

abaoaquagga

2
夢のなかの屋敷と、そこに居る、もしくは居た少女。幽霊屋敷という単語が浮かぶも、幽霊と呼ばれたのは此方であり、それを裏付けるかのようにヒューの存在が少しずつ、けれど確実に靄がかってゆく。降る雪よりも冷たく澄んだ空気を生むのは、何も美しい絵の力だけではない。2024/11/24

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