出版社内容情報
日本の「アニメ」はいつ、どのように誕生したのか? 1917年、日本のアニメ映画黎明期を明らかにする。アニメ生誕百周年を記念し、(社)日本動画協会が立ちあげたプロジェクト『アニメNEXT_100』の一環として刊行される1冊。
アニメ映画を創造したパイオニアは3人。その偉大な足跡をたどる知的冒険の書。現存する最古のアニメフィルム『なまくら刀』発見秘話もあり!!
今や、世界中に多くのファンを獲得している日本のアニメーション。しかし、日本アニメの「始まり」については、ほとんど語られてこなかった。漫画家から転じた下川凹天が作った日本初の商業アニメーション短編映画(とされる)『凸坊新畫帖 芋助猪狩の巻』が公開されたのが1917年。同年、現存する最古のアニメフィルム『なまくら刀』(幸内純一制作)も公開されている。日本アニメが産声を上げた1917年、アニメ映画を世に送り出した下川凹天、幸内純一、北山清太郎の3人を軸に日本アニメの夜明けの姿を描きだすドキュメント。
<構成>
■第一部 日本のアニメーションの黎明期ーー3人のパイオニアの肖像/ アニメ研究家・渡辺泰が、3人のパイオニアの業績、生涯をたどり、日本アニメ黎明期の姿を俯瞰する。
■第二部 『なまくら刀』発見ものがたり/ 『なまくら刀』フィルムの発見者である映像文化史家・松本夏樹が、発見の経緯を発表、合わせて映画『なまくら刀』を分析する。
■第三部 1919年までの日本アニメーション/ ドイツ人でありながら日本アニメ研究の第一人者のひとり、フレデリック・S・リッテンが当時の文献を考証、日本アニメの誕生前後の時代状況を学術的に考察する。
内容説明
日本の「アニメ」はいつ、どのように誕生したのか!?1917年、3人のパイオニアたちの足跡&現存最古のアニメ『なまくら刀』フィルム発見秘話!
目次
第1部 日本のアニメーションの黎明―パイオニア3人の肖像(日本のアニメ誕生前夜;下川凹天―日本最初のアニメを作った男;北山清太郎―工房システムで弟子を育てた名伯楽;幸内純一―第1作にして傑作を生んだ天才;日本のアニメ、未来への展望)
第2部 『なまくら刀』発見ものがたり(『なまくら刀』を見つけたとき;『なまくら刀』の主人公の謎;『なまくら刀』と吉原を巡る物語)
第3部 「アニメ」が始まった時―1919年までの日本・欧米のアニメーションを通して(ドイツと日本における印刷アニメーション;欧米のアニメーションと日本での専門知識―1917年以前;日本アニメーション映画のパイオニアたち;1917年の日本アニメーション映画;1918年から1919年の日本アニメーション;これからの議題)
著者等紹介
渡辺泰[ワタナベヤスシ]
アニメーション研究家。1934年、大阪市生まれ。高校卒業後、毎日新聞大阪本社で36年間、新聞制作に従事
松本夏樹[マツモトナツキ]
映像文化史研究家。1952年、堺市生まれ。ドイツ・クリステンゲマインシャフト神学単科大学に学び、帰国後、大学講師を勤めるかたわら翻訳と著述に従事
リッテン,フレデリック・S.[リッテン,フレデリックS.] [Litten,Frederick S.]
近・現代史研究家/理学博士。1964年、カナダ・モントリオール生まれ、ドイツに育つ。1982~1991年、ミュンヘン・ルートヴィヒ=マクシミリアン大学に学び、1988年に中国学で修士号、1991年に科学史で博士号取得。ミュンヘン・ルートヴィヒ=マクシミリアン大学及びアウクスブルク大学で、種々の研究プロジェクトと非常勤講師を経て、2006年からミュンヘン・バイエルン州立図書館研究員
中川譲[ナカガワユズル]
キャラクター表現研究家。多摩大学情報社会学研究所客員准教授・専修大学ネットワーク情報学部兼任講師。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、博士課程単位取得満期退学。三菱総合研究所嘱託研究員、日本映画大学准教授、国際日本文化研究センター共同研究員などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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