開高健のパリ

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  • サイズ A5判/ページ数 125p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784087816778
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

パリは作家開高健にとって、20代の終わりに初めて訪れて以来何度も足を運んだ特別な場所。そのパリについて書かれたエッセイを選りすぐって編み直し、またほとんど知られていないユトリロについての評論と絵の解説を25点の絵とともに掲載した、開高健初めての「大人の絵本」です。

「はじめてパリへいったときは信じられなかった。歓喜が噴水のようにこみあげてきて、ホテルでおとなしく寝ていられたものではなかった。足の向くまま徹夜で歩きまわり、くたくたに疲れて夜明け頃、パンの香りや霧といっしょにホテルにもどった。壮大な石の森のような夜のパリを靴音たててさまよい歩き、暗がりから浮かびあがる紺地の町名板を読んで、これはどの本にでてきた町だ、あれは誰かが住んでいた町だと記憶をまさぐるのは愉しみだった。そして、一にも信じられず、二にも信じられず、三にも信じられなかった。」(本書「靴を投げて」より)

「数年前、パリにいたとき、某夜、知人のマダムにつれられて第16区のお屋敷町へでかけたことがあった。夜食をとるための小さな集りということだったが、知人のマダムは私に
“昔の金持ち"の家を見せてあげるわヨ、といった。
夜ふけに自動車でつれこまれたそのお屋敷はさながら苔むす屍であった。薔薇模様の鍛鉄の鉄門をギィとおして入ると、“中央参道"といいたくなるような白い砂利道があって、邸内には原生林にありそうな頑強、古怪な栗の木が幾本となく聳え、枯葉と苔の匂いがしめやかに漂っている。」(本書「ドアと文学」より)

2019年の没後30年から2020年の生誕90年にかけての1年間は「開高健TheYear」。開高健の豊穣なる文章の世界に触れてみませんか。解説は作家角田光代。

【本書の内容】
開高健とパリ---解説にかえて 角田光代
開高健・ユトリロ 関連地図
年譜 開高健とパリの旅
「モーリス・ユトリロ」
「タケシのパリ」
パリ断章1)「靴を投げて」より
パリ断章2)「お酢とぶどう酒」より
パリ断章3)「季節の上に死ぬな」より
パリ断章4)ドアと文学」より
パリ断章5)「革命はセーヌに流れた」より
パリ断章6)「続・思いだす」より 「声の狩人」

内容説明

パリという都市と、その街角を描きつづけた画家ユトリロにぶつけた、詩情ゆたかな文章群。そこには、読む者の共感をさそう追憶のパリと、まだ自分が何者かを知らずに苦闘する、言葉の旅人の最初期の「旅のかたち」がある。

目次

何年も以前になるが…「モーリス・ユトリロ」
パンテオンの正面のゆるい坂…「タケシのパリ」
パリ断章1 “ここ以外ならどこへでも”と…「靴を投げて」
パリ断章2 パリですごすのに…「お酢とぶどう酒」
パリ断章3 パリにきてから数日ぶらぶらと…「季節の上に死ぬな」
パリ断章4 数年前、パリにいたとき、某夜、…「ドアと文学」
パリ断章5 夏の入りのパリ。…「革命はセーヌに流れた」
パリ断章6 某日、シャンゼリゼ大通りの…「続・思いだす」
ごぞんじのようにパリには…「声の狩人」

著者等紹介

開高健[カイコウタケシ]
1930年12月30日、大阪生まれ。小説家・ノンフィクション作家。大阪市立大学卒。壽屋宣伝部在籍中の58年「裸の王様」で芥川賞受賞。79年「玉、砕ける」で川端康成文学賞、81年に一連のルポルタージュで菊池寛賞、87年「耳の物語」で日本文学大賞受賞。89年12月9日、58歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mint☆

107
開高健さん実は初読み。表紙が素敵で夫の本棚より拝借。1961年の「現代美術15ユトリロ」収録の文章とユトリロの絵に、パリにふれたエッセイと写真を加え再編集したものだそう。開高健のユトリロ美術論でもありパリ滞在記、パリ理論?のようなものでもある。面白い部分もあったが、普段読み慣れないせいかよくわからない部分も。ユトリロの絵を眺めたり角田光代さんの解説を読んでそういうことなのかと納得したり。有名な著作もたくさんあるので機会があれば読んでみたい。 2020/05/28

アキ

68
「若き日に旅をせずば、老いての日に何をか語る」30代の開高健の書いたパリにまつわる散文の文章力と教養に圧倒される。ユトリロの絵に開高のコメントも独創的。カルチェラタンのキャフェやノートルダム寺院の重厚な姿、モンマルトルの丘の建物の白い壁とラパン・アジール。大江健三郎と共にサルトルに邂逅した1961年のパリの緊迫した空気が「声の狩人・ごぞんじのようにパリには」で感じられる。2019/10/29

けぴ

54
開高健のパリにまつわるエッセイと開高健がユトリロの絵を解説した文章が不思議な味わいで掲載された一冊。ユトリロの作品は1910年頃の白の時代。久しぶりに見ましたが、孤独感と静謐感があり独特の良さがありました。パリの街並みも現在はすっかり変わっているのでしょうね。開高健がパリを訪問したのも1960年。アルジェリアがフランスから独立しようとしていた頃のようです。ある種の熱気を感じました。巻頭の角田光代さんの解説文も旅好きな角田さんらしくこの本を見事に引き立てていた。2021/06/27

ちゃとら

44
【図書館本】偶然見つけた本。若い頃の開高健のパリ暮らしの本。ユトリロの絵が印象的。デモ隊に参加して警察に追われ、男女問わず殴られている中で、逃げた日本人3人組は、その足でカフェに入りラムを飲んだと。ノスタルジックになるエッセイだった。2024/11/17

DEE

17
ユトリロの絵と開高自身の解説を散りばめながら、開高健が憧れ、そして何度も足を運んだパリの風景を生き生きと描写した文章たち。彼の作品に旅と食と酒はなくてはならない。そしてパリにはその全てがあったのだろう。 自分はパリには行ったことがないので想像するしかないのだけど、これらの文章を読むと、今とはまた違った美しさと猥雑さが入り混じった魅力的な場所だったことが伝わってくる。この絵も自分の好みでもある。2019/09/28

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