内容説明
死の遺伝子を作動させ、病んだ細胞を消去する、個体を守るためのしくみとその謎に迫る「死の科学」。がん治療最前線。
目次
第1章 ヒトはどうしてがんになるのか(まるで残酷な拷問つきの死刑宣告;がん研究者の未来は暗かった ほか)
第2章 治療法はどこまで進歩したか(新たにわかった細胞がん化のシナリオ;悪性度や進行状態を知る ほか)
第3章 細胞が自殺するとき(細胞には自殺プログラムが組みこまれている;アポトーシスの不思議な現象 ほか)
第4章 アポトーシスを解明する(悪循環に陥った細胞は局所にばらまかれる;細胞の死にもいろいろある ほか)
第5章 新しい治療への挑戦(がん細胞も血管の供給を断てば死ぬ;期待される血管新生抑制療法 ほか)
著者等紹介
山本三毅夫[ヤマモトミキオ]
防衛医科大学校教授、医学博士。1942年満州生まれ。九州大学医学部卒。九大医学部付属癌研究施設、九大生体防御医学研究所を経て、1989年防衛医科大学校生化学講座教授、現在にいたる。専門は分子生物学。大学卒業後、一貫して基礎生物学研究に携わってきた。対象はがん細胞と正常細胞の相違を遺伝子レベルで明らかにすること、免疫関連分子(HLA、接着分子など)やアポトーシス関連分子の研究など多岐にわたる。分子生物学的手法の工夫、開発にも興味があり、ここ数年は個々の細胞で発現されている全ての遺伝子の種類と、それぞれの発現頻度を明らかにできる信頼性の高い方法を開発している。また最近は“進化”や“生命の起源”の問題にも大いに興味を示している
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