内容説明
血書をしたためて内モンゴルに下放した紅衛兵のその後。反抗と挫折、軍幹部の腐敗、恐怖の牢体験、労働改造―。若い中国の女性たちの涙を誘った衝撃の告白手記。文革は死なず。流血の天安門広場で回覧された衝撃の一書。
目次
内モンゴルへ
氷の草原
イングスのことで徐佐と絶交する
兵団の接収管理
８対０
悍馬を馴らす
血みどろの対決
防衛強化
同情
大衆参加の整党〔ほか〕
感想・レビュー
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Quijimna
2
1966年から中国全土で吹き荒れた文化大革命。そのルポルタージュ的小説はあまた有るが、飽くということはない。幸福のパターンは限られるが、不幸の原因と様相は無限だからだ。知識人の両親を打倒し、熱狂の中でモンゴルに下放した青年の、八年間。反革命の烙印を捺され唾を吐きかけられてなお果敢に生きる姿とともに、満開となる人間の醜悪さに言葉を失う。リアルな｢脇役｣たちの群像にこそ、現代人の正と負の実像を見た気がした。人名のみ替えた実在の出来事とのこと。★★★★☆2010/10/20
