出版社内容情報
気鋭の芸術家が30年間書き続けた創作メモ
現代を代表する彫刻家・舟越桂氏が30年間にわたって書き続けた創作メモをその作品とともに紹介。芸術論、人生論、家族論などさまざまなメモを収録。作品とともに楽しめる一冊です。
内容説明
現代を代表する彫刻家が30年以上にわたって書き続けた創作メモ。芸術論、人生論、家族論、私たちの生きるヒントが詰まっている。
目次
1 アトリエは迷いの場であり、迷うから道を探す
2 鐘を鳴らせ!俺は生きているんだ!
The gallery
3 芸術は作られるのではなく生まれるのだろう。私たちのやれることなどそう大きなわけがない
4 思いよ世界の涯てまで飛んでいけ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
94
いきなり手書きの記録。「地図を持たずに外国の知らない街をおもしろいもの、気に入る店を探して歩くようにデッサンをする。見つけるのは大変だし、レベルもバラつくが、新鮮なものに出会える」。作品と手書きの文言の深みがよい。「日本のアーティストはどうあるべきで動きすぎないか。西洋のアーティストはどうしたいで動いているのか」。伝言と像の完成度が爽やか。2014/06/04
kimi
43
タイトルにひかれて手に取りました。2015/12/05
U
36
彫刻家・舟越桂さんの創作メモを、作品写真とともに紹介したもの。メモ自体の写真も載っていて、思いついたときすぐに書く、舟越さんの姿勢がよく伝わる。「ライオン顔でも泣かしてみる?」「自分に火を放ち、火事にしてしまわなければ、ばか力は出ない」「巧詐は拙誠にしかず」……などなど。わたしも考えや思いつきをメモすること、もっと身近にしようかな。(ノートに書くのもいいけれど、つい体裁が気になって、一貫させようとしてしまうんだよね。)思いつきって、ある意味断片だし。書いたメモは、箱にしまったりして!宝箱になるといいな。2015/10/04
なる
33
憂いのような不確かさをたたえた人間。恥ずかしながら自分は舟越桂の作品とは知らずに作品に触れてきていた。例えば天童荒太『永遠の仔』の表紙などの、奇妙な表情をした木彫りの。本作は作品集でもあり、また楠を彫刻刀で削って行く過程でのデッサンや創作メモもふんだんに盛り込まれていて作家の深淵を覗くことができる。年代関係なくちらばったメモの断片と、ぼんやりと過去へと遡るような形の四つのチャプターで区切られている作品群。表題のインパクトの強さよ。興味深いのは、彫刻に全神経を割り振っているからなのか、字が汚い(笑)。2020/11/09
Maiラピ
24
ブックレヴューの特集。“死は誰のものか?どこに属するのか。死んでいく者だけのものとは思えないところがある。”2011/12/20