内容説明
日本最後の無頼、疾風の人生絵巻!永遠のヒーロー『月光仮面』を生み、愛と別離の運命を描いた『誰よりも君を愛す』で日本レコード大賞をとり、『花と蝶』『君こそわが命』『おふくろさん』など大ヒットをとばした男、川内康範。歴代宰相の懐刀として、政界水面下で躍動!「生涯助ッ人」を信条に、危険をかえりみず、あらゆる権威に立ち向かう。「巷の雑犬」、「文化やくざ」と自から称する男、七十七年の無頼人生は、さながら火を吹く事件簿だ。
目次
この世に生まれて
おいたち
作家の夢、茨の道
悲憤の海兵
敗戦よ、天皇陛下よ
自由と表現の狭間で
見棄てられし者たちに手を
なぜ、月光仮面か
沖縄に投げかけた正論
自民党との愛憎の旅〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こたちゅう
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「おふくろさん」「月光仮面」で有名な、売れっ子作家、昭和前半の、今で言えば秋元康みたいな立場の人かと思っていたが、なんのなんの、経歴は多彩。純文学出身というのも知らなかった。それらを考慮すると、過去の著作を引用しながらの回想録でなく、書き下ろし自伝の方がもっと面白いものが書けたのでは、と思う。著者御高齢という点から、回想録にしたのでしょう。昭和は遠い。惜しい人を亡くしました。御冥福をお祈りします。2009/01/02
サトル
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昭和歌謡の真髄「恍惚のブルース」「逢わずに愛して」、そして一世を風靡した「月光仮面」の作者がどうしても結びつかないまま、この回想録を読んでみてますます混線してしまった。波乱万丈の中で歴代総理の相談相手も務めたそうだが、親父と慕う福田赳夫がこんな序文を寄せている。<不思議なもので康範は「月光仮面」で正義の助っ人たらんとし、「誰よりも君を愛す」で真の男女の愛とは情死であると説いてきた。日本の文壇では不遇であったが、彼の生きざまは…時には時流に反逆し、しかも王道を貫いてきた…>これが川内康範の人生なのだろう。2021/04/25