王将の前で待つてて―句集

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王将の前で待つてて―句集

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  • サイズ 46判/ページ数 200p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087754711
  • NDC分類 911.368
  • Cコード C0092

出版社内容情報

作家として次々と物語を生み出す傍ら、コツコツと詠んできた句を集めた著者待望の第二句集。
2010年~2023年の220句に加え、過去30年に詠んだ句から特にお気に入りの句を選んだ「自選一年一句」と、俳句に興味を持っている「あなた」へと向けた巻末エッセイを収録。日常から銀河まで、豊かなスケールで広がる川上弘美ワールドを堪能しながら、俳句の喜びに心から浸れる一冊。

●収録句より10句
不機嫌に人ほめちぎるさくらかな
たうがらし死んだともだちに会ひたい
メロン切るときをんなの目酷薄に
沖遠く鯨を呼びて鯨鳴く
交む前ザトウクヂラはみつめあふ
ラムネ痛しけふも朝より何もなし
ヒトやがて示準化石や冬銀河
掌の中の枇杷潰すなりはればれと
スマホ買ひ即罅入れる夜寒かな
レンジの中の小爆発も夏の果


【著者略歴】
川上弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年東京都生まれ。94年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞し作家デビュー。96年「蛇を踏む」で芥川賞、2001年『センセイの鞄』谷崎潤一郎賞、15年『水声』で読売文学賞、23年『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』で野間文芸賞を受賞。
その他の小説に『溺レる』『真鶴』『七夜物語』『大きな鳥にさらわれないよう』『僕の死体をよろしくたのむ』『某』『三度目の恋』など、句集に『機嫌のいい犬』がある。

内容説明

十七文字の日々がある。十七文字の世界がある。十七文字の銀河がある。言葉の不思議なコレクション220句、ふたたび。

目次

2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
自選一年一句
俳句を、始めてみませんか

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958年東京都生まれ。94年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』で読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞、23年『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』で野間文芸賞を受賞。19年紫綬褒章、23年フランス芸術文化勲章オフィシエを受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

176
川上 弘美は、新作をコンスタントに読んでいる作家ですが、句集は初読です。現代的で、ユーモラスな句集、しかし私の俳句のイメージと異なり、あまり感心しません。「晩秋ジントニックおいしいです」、この句が泉鏡花賞とは(笑) https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/mattete/ 2025/01/18

クプクプ

70
川上弘美さんの2冊目の俳句集。川上弘美さんが、どのような俳句を詠むのか、想像が出来ませんでしたが、読んだ後は、いいときの川上弘美さんの短編集のような爽快な余韻が残りました。飛んできたカナブンが止まる場所に迷ったという句や、ガラケーにこだわった川上弘美さんが、スマホを手にして、上手くいかなかった句などが印象に残りました。定価1950円+税は、割高ですが、一日で読める文章の量と意外性を味わえるという意味では、気分転換としては、満足のいく一冊に仕上がっていると感じました。2025/01/18

Ikutan

68
『機嫌のいい犬』に次ぐ川上さんの第二句集。今回は、2010年から2023年の俳句と1994年からの自選一年一句と解説。理科の先生をされていた川上さんらしく、生き物や地学をべースにした作品も多く、鋭い観察力に感心する。さりげない日常の一コマを切り取った作品も、17文字の中に凝縮されていて味わい深い。震災後やコロナ禍の作品だなぁと想像出来る作品も。お気に入りは 豆鯵一笊眼すべて我に向く/裸子の這い這い速し泣きながら/紡錘形にレモンもイルカも秋深む/夫婦解散とラインに知らせ年の暮/道なりの歩かぬ犬や春の雲2025/02/23

よこたん

41
“たった十七文字の中には、ほぼ自分とそのまわりの景色しかない。けれど、実はその十七文字の背後には、全世界があるのだ。” 普段、句集というものをほぼ手に取る機会がない。題名の『王将の前で待ってて』にどう続くのか気になって。かなぶんのとまりどころを決められず/メロン切るときをんなの目酷薄に/花冷えや小声で告げるさやうなら/夕蛾とぶ百円棚に金枝篇/紡錘形にレモンもイルカも秋深む/が好み。そして「王将の前で待っててななかまど」ついつい口ずさんでしまう。ちょっとザラッとしてほろ苦い、川上さんの風味が俳句にもあり。2025/01/27

ぐうぐう

34
川上弘美第二句集。というか、第一句集『機嫌のいい犬』が出たのが14年前だというのが驚きだ。4〜5年前に読んだような感覚なのだ。十七文字という俳句の短さは小説とは異なり、いろんなものの感覚を揺るがせるようだ。あとがきで川上が書いているように「(俳句を作っている時)そこには、創作、という行為における安らかさの真髄があるのだと思う。一つ一つの句は、けっこう記録性の高いものであり、当時の状況をそのまま句にしていることも多いのだが、それでも、十七文字におさめる、という創作性が、(つづく)2024/12/20

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