出版社内容情報
カースト最底辺のグループに所属している中学三年生の基哉。背は180cmと高いが顔は中の下。ある日、大学デビューを果たした兄が、サークル主催のBBQに基哉を誘う。一夏の経験が彼を成長させる。
奥田 亜希子[オクダアキコ]
著・文・その他
内容説明
島田基哉、中学3年生。15歳。何を得て、大人になるのか。何を捨て、大人になるのか。
著者等紹介
奥田亜希子[オクダアキコ]
1983年(昭和58年)愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒業。2013年、第37回すばる文学賞を「左目に映る星」(「アナザープラネット」を改題)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
169
奥田さん作品の4冊目です。なかなか多才なテーマで次々と作品をぶつけてきてくれるので、読むのが本当に愉しい作家さんです。今作のテーマは’性’と’異性への憧れ’、そして’友情’かなと。誰もが何かしら覚えのある青春の出来事を淡々と綴り、時に淡く描きながら物語は進みます。主人公な中3男子の「基哉」で普段はクラスでも目立たない存在で、日々悶々と過ごしています。「基哉」をとりまく状況が、様々な出来事によって変化し、彼自身も成長していく姿がなんとも逞しいです。友人の『友達は自分で選ぶ』のセリフに胸がアツくなりました。2018/07/15
fwhd8325
111
あーいやだ。あの頃を思い出しちゃったよ。ほのかな年上の異性へのあこがれではなく、なんだか生々しい感じの物語だった。だけど、それもいつか来た道。ほとばしっていた季節。女子はどうよって思うけれど、男子はみっともないくらい目覚めてくる頃だから、一大事なんだよね。あの頃は、これで人生決まってしまうような感覚です。面白く読みました。2018/10/03
うどん
111
よかったー!面白いです。中学生の恋愛関係、兄弟関係、友だち関係…。奥田亜希子さん好きになりました。2018/05/16
のぶ
108
タイトルの通り青春のエッセンスがたくさん詰まった小説だった。主人公は中学三年生の島田基哉。こんな時代は自分にとって遥か昔のことで、普段思い出すことは滅多にないし、本作でのスクールカーストなんて言葉は当時なかったけれど、似たようなものは存在していた気がした。そんな最底辺のグループに所属している基哉だが、それなりの考えと欲望を持って行動している姿は卑屈ではなくむしろ爽やか。修学旅行の描写等、活き活きと描かれている部分も多く、久しぶりに若き時代を思い返させてくれた一冊だった。2018/06/24
ででんでん
95
後半読み飛ばし気味。心身ともにfreshで可能性の塊だけど、枠から飛び出す術を持たない中学生は大変。でも基哉も咲も、きっと素敵な大人になる。2018/04/09