内容説明
でろでろぽん。でろでろぽん。隆が暮らす麹町の人々が「結節器」で繋がるにつれ、その音は大きく響いてくる。巨大な毒蜘蛛となってこの麹町へ攻撃してきた扇町の連中に対して、大ムカデとなって反撃するためだった。隆の住む世界では、人は臍に「結節器」という「数世代前に後天的に獲得された大脳皮質直系の連結機関」を持つようになっていた。町が攻撃された時は、「結節器」で近くの人々と繋がる事で強力な巨大生物と化す事が出来るのである。しかし「単なる接続機能のための付加的器官に過ぎず、如何なる生理反応とも無縁である」はずの「結節器」の出し入れに、最近隆は快感を覚えるようになっていたのだった。表題作を含む、全九篇の傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
*maru*
31
【あもーず せれくと No.③自由課題】著者初読み。短編集(全9話)タイトルや表紙のイラストからある程度想像できるだろ。そう。装丁通り、卑猥でグロいやつ。遠藤徹、かなり危険なお人。長編だと思いきや、まさかの短編集。この予期せぬ事態に、喜色満面?艱難辛苦?断固拒否?それは読み手の耐性次第。結節人間だの、牛人間だの、再生人間だの…結合人間や殺人出産やΩの聖餐にも負けないくらいぶっ飛んだ内容だこれは。『鬼を撃つ』『肝だめ死』『トワイライト・ゾーンビ』が特に良かった。良かった、面白かったは、念のため小声で…ね。2018/05/07
あも
10
面白い。エログロナンセンスな素晴らしい短編集。結節器と結節孔で人が連結してムカデやガマ型の異形となり、町同士が争っている世界観の表題作始め、不気味なはずなのにどこかカラリと渇いた世界観が秀逸。「肝だめ死」や、ラストの「トワイライト・ゾーンビ」に至っては胸が締め付けられる切ない読後感。最高。寺田克也の表紙絵も最高。2016/03/08
miho
8
たまに無性に激カラなものが食べたくなる感覚で、えげつないものが読みたくなる・笑 最初の「むかでろりん」はやっぱりムカデ人間を思い出してしまった。「トワイライト・ゾンビ」はキュンとなる。 満足しました。2016/11/14
リコ@りぃ
3
出てくる人体はだいたい損壊するでお馴染み遠藤徹氏の短編集。「姉飼」「弁頭屋」のみ既読ですが、こうしてみると「姉飼」がむしろ異質な作品だったんだなと。本作もですが、脱力系グロっていうのが遠藤氏の鉄板なのかな。屈託のない悪趣味というか。中でも「もうどうにもとまらない」は最高だった。意識はあるままどんどん怪物化していき手当たり次第の殺戮を繰り広げるJKを、ストーカーの視点から描いた怪作なんですけどずるいわーこんなん笑うわー。あー楽しい。楽しいけど「姉飼」大好きなので、ああいうドロッと重いのもまた読みたいなぁ。2019/12/19
くまちゃん
3
私的には他の作品の方が面白かったです
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