マルコの夢

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  • サイズ B6判/ページ数 132p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087747881
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか…。マルコとは?奇妙な冒険譚。

著者等紹介

栗田有起[クリタユキ]
1972年、長崎県生まれ。名古屋外国語大学外国語学部英米語学科卒業。2002年「ハミザベス」で第26回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

44
姉のツテでパリの三つ星レストランで働くことになった一馬。その店のキノコ管理の担当になります。マルコと呼ばれる貴重なキノコをめぐる騒動に巻きこまれたと思っていたら、実は自分自身が謎の中心にいた、というところにぞくっとします。全てはキノコの意志なのか、まぼろしに捕らわれるようにキノコにとり込まれていく様子は、彼自身が幸せな分、気持ち悪さを感じます。とは言え、そんなに美味しいキノコなら食べてみたくもなりますね。2017/04/27

Shoji

28
なんだが、よくわからないお話。フランスの料理店で働く主人公は日本人。店で人気のキノコを求めて日本へ戻る。フランス在住の姉の命で一度フランスへ戻るが、再び日本へ戻ったりする。西へ東へと飛び回るうちに、親の離婚騒動が起きたり、キノコの給食を食べたり、予想外の事件が次々と。ホラーだかファンタジーだかどっちつかずのうちに物語は終わっていた。一体、私は何を読まされたのだろう。不思議な感覚に陥ったお話でした。2025/04/02

tomo*tin

26
キノコのキノコによるキノコのための物語というか、キノコを愛する人のキノコを愛する人によるキノコを愛する人のための物語なのだけれども、キノコを通して繋がる僕と誰かの物語でもあって、読んでゆくうちにそれはキノコなんだかキノコの形をした愛なんだかキノコと言う名の別の何かなんだか分からなくなったりして、でもいずれにしても大切なものに違いはないからまあいいか、みたいな緩さとあたたかさ、に包まれたキノコ愛。2010/05/29

nyanco

21
読書メーターで出逢った一冊。部屋の中で育つキノコと聞くと『男おいどん』を思い出してしまう世代…。しかし、マルコは神々しいまでの姿。名誉称号『茸人』、キノコを『純粋な喜びとして存在させるため』に育てる民。異父姉弟の謎も解明し…。不思議なキノコは、人知れず何処かで胞子を飛ばしているのでしょうか…。三ツ星レストラン「ル・コント・ブルー」なんて言葉遊びや、ひび入りメガネを掛ける伝統を持つフランス人も素敵。栗田さんの不思議ちゃんパワー全開の作品。2009/10/06

風眠

20
つまりキノコ、なんです。登場人物たちの人生も、物語の展開も、すべてはキノコの意思によって成されていたこと。惑わせ酔わせ、自分のスカートの下へ誘い込む。絶妙に巧妙な幻のキノコは、たぶん絶対に女。キノコに人生を選ばせられているのに、なぜかすべてを受け入れ納得してしまう登場人物達、「運命」って怖いようなラクちんなような、よく分かんない引力をもった言葉なんだな。ありそうで無さそうなアナザーワールドにシュルンと引き込まれ、いつのまにか毒を盛られていたような・・・意味不明だけれどなぜか笑える、シュールでキノコな物語。2013/05/02

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