内容説明
英、仏、蘭が覇権を争う18世紀インド洋―。イギリス東インド会社の命を帯びマドラスへ派遣された青年は、伝説の海賊と出会った。謎、波瀾、哀愁、敗れざる男達の真実。
著者等紹介
多島斗志之[タジマトシユキ]
1948年生まれ。広告ディレクターを経て、1985年、初長編『“移情閣”ゲーム』(講談社)を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪紫
71
ダイヤと消えた東インド会社の社員を追う社員と妻。誘拐疑惑が出るモア船長を捕まえようとする思惑が群像劇をなし、それぞれの目から見た海賊らしからぬ海賊、モア船長が浮き上がっていく。いきなりの改行が何処か物語に入り込む独特の空気をなし、それぞれの生活や策略が話を盛り上げていく。タイトルの「憂鬱」がそぐわないな。と思いながら読んでたとこにようやくモア船長の心境がわかったところでストンと落ちる。策略は終わり、読み終えてモア船長達の日常を思い返しつい憧憬を覚えてしまう。クレイもそう思ってそう。ラストの一文読むと特に。2023/03/09
seacalf
37
ふふふ、またモア船長の活躍が読めるなんて望外の幸せ。確かな筆力の作家が紡ぐ海賊物語。今回はちょっといけすかない仇役(?)の立場の目線を取り入れているから少々変化球気味だが、単なる蛮族ではないモア船長の魅力をふんだんに語ってくれる。これからますます面白くなっていくシリーズなのに、失明を理由に突然失踪宣言をして表舞台から離れてしまった作者。この続きが読めるなら、無給で口述筆記のお手伝いをしてもいいのに。先が楽しみなだけにここで途切れてしまって本当に勿体ない。どこかで続きを書いて発表してくれないかしらん。2019/04/19
asa.com
4
「海賊モア船長の遍歴」の続編。マダガスカルの星というダイヤと共に消えたイギリスの東インド会社職員。行方を追うためインドに派遣された東インド会社ロンドン本社の秘書官。 同盟を結びながら反発するオランダ軍とイギリス軍。 海賊と組みインド洋で主権を取りたいフランス。 そこに海賊モア一味が! 愛船のマストが折れしょんぼり気味のモア(笑) 隠れ家でひたすら船の修理。と思いきや!! モアの知恵っぷりもアップ。海賊は小悪、アジアから搾取するヨーロッパは巨悪。巨悪は権力があるからいいんだそうな。なるほど、現代でも(笑)
tai65
3
星5つ2014/11/10
宗芳
3
今回はミステリー仕立て。手に汗握る展開は相変わらず秀逸です。まだ話は続きそうですね。2013/12/02




