「話して考える(シンク・トーク)」と「書いて考える(シンク・ライト)」

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087747270
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

骨太でいながら、こまやかで、深味のある情報も、ユーモアにもみちている、大江さんの話を、活字でお届けする。

目次

講演をまとめるに当っての、前口上―言葉のエラボレーション
中野重治の美しさ
佐多さんが「おもい」と書く時―『夏の栞―中野重治をおくる』にそくして
子供の本を大人が読む、大人の本を子供と一緒に読む
子供らに話したことを、もう一度―エドワード・W.サイードの死の後で
「夢を見る人」のタイムマシン
語る人、看護する人
病気と死についての深い知識の向こうにあるもの
暗闇を見えるものとする―精神医学の表現者の思い
タスマニア・ウルフは恐くない?
あらためての「窮境」より―教育基本法、憲法のこと
教育基本法、憲法の「文体」―さきの講演の補註として

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

4
本書が出て早十数年。その間に日本の世相は大きく変わり、著者の主張が通らなくなってしまったという事実を痛感する。そして身を以て民主主義や平和を訴える人が本当に残りわずかになったということに言いようのない不安を覚えてしまう。この時点で、自らを老人と規定した氏も早齢80を超え、息子光氏も50代半ば…本書を読んで、その事実を思い返すと、時というものの抗い難さと残酷さを痛感する。文学と政治がほぼワンセットになって語られていた時代の言わば象徴でもあった著者。その象徴が逝ってしまった後の日本を思うと暗澹たる気持ちに…2018/10/26

harak

2
講演録集。戦後、戦争にかかわった若者たちを「正しく支える精神の柱」がなかった反省から「民族の道徳」を新しく作り上げる必要性をといた中野重治の作品を紹介。それは確立したとは思えない、というのが印象的。文学、文化の会話主義化?を強く憂いています。書き言葉の論理性を回避しない読者を育成しなければと。内輪の共感性に向きがちな会話主義が、結局戦争へと向かわせる勢力の企みにまんまとのる国民を生むのではという作者の恐れを感じましたが、正直自分には難しく、この印象が正しいかどうかも自分で分かりません。^^2010/06/14

shouyi.

1
中野重治や佐多稲子の話など、対談だと思って少し軽く見ていたら、大江健三郎さんの生き方・考え方が濃密に語られていた。文学への向き合い方に感動した。2019/02/03

rue

1
講演の都度、そのための原稿を書き、それを読んだ講演をあらためて「エラボレート」する。あるいは大切だと思う言葉や文章は書き写す。大江さんの習慣となっている、言葉、文章、書くという行為に対する姿勢に感服しました。言葉を磨くことこそが考えること。肝に命じます。2011/10/19

M

0
単行本にて2015/11/28

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