内容説明
20世紀最大のゲリラ、チェ・ゲバラ。彼の一生を熱き想いをこめて追想した作品。これは現代を旅する男、戸井十月の魂が綴った「人間へのラブレター」である。
目次
序章 掘り起こされた伝説
第1章 喘息もちのテテ
第2章 二人のドンキホーテ
第3章 戻らぬ旅へ
第4章 フィデルという名の嵐
第5章 最高の戦士、最低の医者
第6章 革命という事業
第7章 最後の旅へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
381
ゲバラの後を追う戸井十月のチェ・ゲバラ伝。巻末の参考文献目録を見る限りでは、基本的には史実に忠実なようだ。それをドキュメンタリー作家の想像力と文体で描き出したのが本書。最初はキューバ革命以前の部分が長すぎるかとも思ったが、やはりそれは必要だった。もちろん、核心はキューバ上陸以降にあるのだが。それにしても驚嘆するのは、それがわずかに12人だったこと。革命とは大いなる夢想なくしてはあり得ないのだろう。レーニンのそれもおそらくはそうだっただろう。革命の成功後のカストロとゲバラの選んだ必然も。2019/12/23
雪風のねこ@(=´ω`=)
77
社会主義は資本主義と異にするもの、はっきり言えば"敵"だというだという乏しい知識でこの書籍を読んだ。しかしそこに住む人々にとっては、資源と労働力を奪われ、僅かな賃金と劣悪な環境で貧しい生活を送らざるを得ない"現実"であった。エルネスト・ゲバラが、その人格を成し"チェ"ゲバラと形成された、ラテンアメリカの厳しい自然と、そんな人々なのだろう。自らの持病を顧みず、命を懸けて生きる姿に感動した。2020/02/07
スー
20
41チェ・ゲバラを出生からボリビアでの死までの人生を駆け抜ける様に読める入門書。情熱的でストイックそして無鉄砲な所のある魅力的な男ゲバラを茶目っ気を抑え気味に描いています。友人との南米旅行での体験がゲバラに大きな影響を与え革命家としての道を選ばせたかが良くわかり映画のモーターサイクルダイアリーズを思い返しながら読んでいました。キューバ上陸後は意外にあっさりで少し残念でしたけどゲバラを知るには良い本だと思います。2020/03/22
sagatak
6
モーターサイクルダイアリーズでチェに興味を持ちフィデルにも、キューバにも興味を持った。その彼の人柄に沿って、おおまかな人生をなぞった著作。チェが生き延びていればもっと世界に影響を与えることができたのにと昔思ったが、やはりこれは定められた運命だったのだなと思う。一方フィデルも際どい目には何度もあっているが、やり遂げたのも定めかもしれない。ラウルも引退する時代、まだまだキューバは頑張っている。趣向は違うが最近映画「バスを待ちながら」を観てキューバ人の力強さを感じたところ。2018/11/28
Hyos(元jpn1024)
6
チェ・ゲバラ氏の人生が記されている本である. 彼の思想のルーツや死に様を確認できる. 両親によって施された彼に対する教育等が彼の思想に及ぼした影響などについても書かれており面白い. また,彼の学問や校外活動に対する驚くべきエネルギーには目を見張るものがある. 彼のように,エネルギッシュに自分の目的の達成のために一心不乱に行動したいものである. 彼が世界的に有名な革命者となる要因に大きく関わったのが,大学在学中の貧乏旅行で経験したことや,当時の南アメリカの情勢であったことが生々しく伝わってくる.2017/10/20
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