病む月

病む月

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087743623
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あも

52
め、めぐみじゃなくて"けい"だったのかああ!何気に初読み唯川さん。あー、これ好き。甘々恋愛小説作家のイメージだったけど、女の悪意に満ちたキレッキレの短編集。舞台は全て金沢。重たく曇った灰色の空の下、閉塞した環境、虚栄心に嫉妬…女達から滲み出る濃厚な闇に浸る。語り口も展開も本当に切れ味良くて、ベタベタまとわりつく鬱陶しさがない。幽霊も異常者も出てこないのに、普通の女の普通の悪意が素晴らしく恐ろしい。イヤミスって程ミステリ要素ないから"厭小説"だな。お気に入りさんにこれ好きな人多い気がするのでオススメします!2017/03/30

ユウユウ

34
こういうの書かせるとやっぱり巧い。2017/12/19

sui

31
読友さんのオススメ。金沢に住んでいたり、縁のある10人の30代の女たちの短編集。金沢という土地柄故か短編なのにすぐ惹き込まれ、その雰囲気に浸りながらすぐ近くに彼女たちを感じる。月の満ち欠けのように、表情、心の形を変えてく女たち。知らずに病んでいる女。自ら病んだ部分を愛でる女。・・・女は皆どこか病んでいて、それを強みに、拠り所として生きている生き物なのかも知れない。ハズレ無しの短編集!最低なだけの男が出てこない所にも好感が持てる。「雪おんな」「川辺を滑る風」「波瑠の雨降る」が特に好きです。面白かった~!2017/11/04

てんちゃん

29
唯川さんらしい短編集。女の匂いがプンプンします。最後には良い話も収録されてますが、女の嫌な部分を描いた他の作品の方が俄然勢いがあるように思います。最近では良くも悪くも、男女ともに中性化して、唯川さんの描くようなねっとりした女性は少なくなったように思います。この本読むと、女って怖~と思います。でも、陰湿だったりしたたかだったりするのは、情のあつさや芯の強さの裏返し。こんな女に愛されるのも、男冥利に尽きるのかもしれません。2015/09/29

はな

25
唯川さんはじめまして。唯川さんの故郷でもある金沢を舞台にした女たちの短編集。日々形を変化させる月のように、女たちも変幻自在。最初の「いやな女」でうわぁと引き込まれ、するすると読みやすく、どれもおもしろかった。女の強かさ、ずる賢さ、嫉妬、執着、母性……どこか自分にも彼女たちと似たところがあるんだろうなとぞくっとしてしまう。年に一度の逢瀬を待ちわびる「雪おんな」、和菓子屋の娘と職人の「川面を滑る風」、ガラス工芸家とパトロンの「玻璃の雨降る」がお気に入り。表題作はないけれど、ぴったりのタイトルである。2019/04/12

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