内容説明
「ほくろに毛の生えた男」との運命の出会いを予言するチャイナタウンの占い師の見立てを信じて、ふらふらと中国大陸に渡ってきた鳩山ひさみ。急激な市場経済化のゆがみ、中国式社会主義の退廃に戸惑いながらも新しい言葉で生きはじめた彼女の混乱と快楽。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょうゆ
1
短く、淡々としているが毒っけたっぷりな本だった。中盤に出てくる女史が強烈でいい。2016/04/18
パヤパヤ
1
「ショートホープショートピース」だけは確かに発表当時に読んだ。筈だが、さすがに初読時読み行き渡ってなかったと思わされること然り。中国を発見してその社会が女子の性を市場でいかにさばいているかについて感に堪えない著者が、少女としての自分と夭折した伝説の不良少女の友人との交流を振り返り、六十年代という自分と日本社会の過去を検証して、当時の日本の少女は「恋愛」や「愛情」という題目を強引に充てがうという異なるように見える仕組みの中で、しかしやはり中国の女性と実は同じように消費される種であったことを達者に活写する。2013/08/18
小春
0
浮遊し続けることは、どこかに落ち着くことより難しい、と思う。2017/07/15