人類の深奥に秘められた記憶

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人類の深奥に秘められた記憶

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  • サイズ 46判/ページ数 480p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087735253
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

【ゴンクール賞受賞作】
なぜ人間は、作家は、“書く”のか。根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!

セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、気になる同郷の作家がいた。
1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、ほぼ忘れ去られた存在となっていた。
そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、内容に感銘を受けたジェガーヌは、エリマン自身について調べはじめる。
様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。
フランスで60万部を突破、40か国で版権が取得された、2021年ゴンクール賞受賞の傑作。

[著者プロフィール]
モアメド・ムブガル・サール
Mohamed Mbougar Sarr
1990年セネガルのダカールに生まれ、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で学ぶ。現在はフランスのボーヴェ在住。
2014年に中篇小説『La Cale(直訳:船倉)』でステファヌ・エセル賞を受賞し、2015年『Terre ceinte(直訳:包囲された土地)』で長篇デビュー、アマドゥ・クルマ文学賞とメティス小説大賞を受賞した。2017年『Silence du choeur(直訳:コーラスの沈黙)』でサン=マロ市主催の世界文学賞を受賞。2021年、4作目にあたる本書はフランスの4大文学賞(ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞、メディシス賞)すべてにノミネートされ、ゴンクール賞を受賞した。
邦訳作品に『純粋な人間たち』(平野暁人訳、英治出版、2022年。原書は2018年)がある。

[訳者プロフィール]
野崎歓(のざき・かん)
1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2006年に『赤ちゃん教育』(青土社)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論』(講談社)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞。ほか『無垢の歌――大江健三郎と子供たちの物語』(生きのびるブックス)など著書多数。
訳書に、ジャン=フィリップ・トゥーサン『浴室』『カメラ』『ためらい』(以上集英社文庫)、サン=テグジュペリ『ちいさな王子』、スタンダール『赤と黒』(以上光文社古典新訳文庫)、ボリス・ヴィアン『北京の秋』(河出書房新社)、ミシェル・ウエルベック『素粒子』『地図と領土』(以上ちくま文庫)、同『滅ぼす』(共訳、河出書房新社)など多数。

内容説明

1938年に一冊の本でパリの文壇の話題をさらい、剽窃のかどで消えてしまったセネガル人作家T・C・エリマン。彼は一体何者だったのか?現代のくすぶる若手小説家ジェガーヌがその軌跡を追い求めるうちに、エリマンを巡る物語は語り手を変え、時を超え、パリ、アムステルダム、ブエノスアイレス、ダカール、セネガルの名もなき村へと舞台を変貌させていく…。文学へのあくなき欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説。

目次

第1の書(「母グモ」の巣;夏の日記;本質的な書物についての三つのノート(T・C・エリマンの日記からの抜粋))
第2の書(ウセイヌ・クマーフの遺書;震動のさなかでの三つの叫び;調査する女たち、調査される女たち ほか)
第3の書(友情-愛×文学/政治=?;死文;マダグの孤独)

著者等紹介

サール,モアメド・ムブガル[サール,モアメドムブガル] [Sarr,Mohamed Mbougar]
1990年セネガルのダカールに生まれ、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で学ぶ。現在はフランスのボーヴェ在住。2014年に中篇小説『La Cale(直訳:船倉)』でステファヌ・エセル賞を受賞し、2015年『Terre ceinte(直訳:包囲された土地)』で長篇デビュー、アマドゥ・クルマ文学賞とメティス小説大賞を受賞した。2017年『Silence du choeur(直訳:コーラスの沈黙)』でサン=マロ市主催の世界文学賞を受賞。2021年、4作目にあたる本書はフランスの4大文学賞(ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞、メディシス賞)すべてにノミネートされ、ゴンクール賞を受賞した

野崎歓[ノザキカン]
1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2006年に『赤ちゃん教育』(青土社)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』(講談社)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ―井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

112
「偶然とは未知の運命、見えないインクで書かれた運命でしかない」。人類、深奥と堅そうな題名だが、読み始めるとすぐに小説としての面白さに惹き付けられ夢中になって頁を捲った。色々な要素が盛り込まれ、文学批評論から人種差別、ポストコロニアル等が含まれるが、むしろそういったカテゴライズ化を嘲笑うかのように大胆な構成で一つの独特な物語を創り上げていた。そこには批判でも皮肉でもなくむしろ情熱が見えた。ただ突き進むのではなく真摯かつ柔軟な遊び心さえも。それは過去を超えるべく著者が求めた創作の運命が示したものかもしれない。2023/12/27

どんぐり

88
ボラーニョの小説を彷彿とさせる作家探しの物語。1938年にパリで出版されたセネガル人の作家エリマンが書いた『人でなしの迷宮』。ブラックアフリカの黒人による最初の真正な傑作といわれたが、その小説は、批評家から剽窃の疑いがかけられ、北フランスで失踪した作家とともに忘れられた。小説の構造は、1980年代にエリマンを探す若い作家ジェガーヌ、母グモのシガ・Dの証言、日記や記録、マンゴーの木の下でエリマンを待つ母親モッサン、『人でなしの迷宮』を批判した書評家たちの死と呪術など、いくつもの物語が積み重なっていく。→2024/03/11

榊原 香織

75
幻の本を巡る謎。若い黒人作家が深みにはまっていく。 セネガル出身、ゴンクール賞受賞 2023年刊。 大作ですね。 南米のマジックリアリズムにちょっと近い、けど、やっぱりアフリカン。2024/06/07

藤月はな(灯れ松明の火)

69
小説家になったが、デビュー作の反響が芳しくなく、次回作に悩むセネガル人、ジェガーヌ。彼は同じセネガル人作家で毀誉褒貶のある作家、エリマンの『人でなしの迷宮』にのめり込む。やがて彼と血縁関係のある者と接触し、当時の事を探っていくが・・・。エリマンの生まれとその家族との関係性、エリマンへ下された文学界の評価も、黒魔術による評論家殺しの疑いも結局は西欧人視点でしかなく、エリマンの意志も小説も無視されている。まさに「群盲、象をなぞる」。ジュガーヌを主人公に取れば、ビスク・ド・ロマンのよう。しかし、その〆は独特だ。2024/01/04

たま

64
セネガル出身の作家ジェガーヌが同郷の作家エリマンの『人でなしの迷宮』を読んで衝撃を受け彼を知ろうとする。エリマンは大戦前に発表したこの作品で盗作を非難され行方不明のため、先輩作家シガ・Dからエリマンを直接知る人びとの証言を伝え聞くことになる。シガの父である呪術師の「土俗的」回想、戦前にパリでエリマンの作品を出版したユダヤ人、戦後ブエノスアイレスの文学サロンでエリマンと出会った文学者などが織りなす歴史的地理的広がりが作品の魅力となっている。何重もの伝聞で気が抜けない読書だが語りは巧みで飽きさせない。⇒ 2024/01/24

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