出版社内容情報
パリ、セーヌ河畔の船で、悩む人々に本を“処方"する書店主。ある古い手紙がきっかけで、彼は自らの心の傷を治すためプロヴァンスへと船出する。世界累計150万部を突破した、喪失と再生、愛の物語。
ニーナ・ゲオルゲ[ニーナゲオルゲ]
著・文・その他
遠山 明子[トオヤマアキコ]
翻訳
内容説明
セーヌ川に浮かぶ船上で、悩める人々に本を“処方”する書店主ジャン・ペルデュ。しかし自身の心の傷は治せずにいた。20年前、恋人が彼の元を突然去ってからずっと、凍りついたままだ。だがある日、古い手紙をきっかけに、ペルデュは彼女の故郷プロヴァンスへ行く決意をする。書店主とスランプ中の青年作家、本と2匹の猫を乗せた船は、20年ぶりにうなりを上げた―フランスの美しい川と町を舞台に、いくつもの人生が輝く、世界的ベストセラー。
著者等紹介
ゲオルゲ,ニーナ[ゲオルゲ,ニーナ] [George,Nina]
1973年ドイツ生まれ。作家、ジャーナリスト、コラムニスト。小説、ミステリー、ノンフィクションを含め27冊の本、および600以上の短編とコラムを執筆する。現在も精力的に執筆活動を続け、ドイツ・ベルリンと、フランス・ブルターニュの両方で暮らしている
遠山明子[トオヤマアキコ]
1956年神奈川県生まれ。上智大学大学院でドイツ文学を専攻。ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
89
泣けて、笑えて、また泣ける。ある男の愛と苦悩と再生の物語。こんなにも人は人を愛する事が出来るのか。男女間の愛だけでなく、友情や本に傾ける情熱、生きる事への愛着など、イキイキどした文章から思う存分に感じられる。辛い、苦しい、悲しい出来事も含めたからこその今がある。822019/03/24
chantal(シャンタール)
75
セーヌ川に浮かぶ「文学処方船」でその人に合った本、読むべき本を売っている店主のペルデュ。若い頃に別れた恋人を今でも忘れられずにいる。そんな彼が昔の恋人の真実を知り、新たな恋へ進むため、錨を上げて処方船で旅に出る。大人の童話のようでとても楽しく、やはり人生に本はなくてはならない物だと改めて思う。最後の「文学処方箋」がためになる。読んでみようと思う作品が沢山。しかーし!昔の恋人マノン。そんな勝手が許されていいのか?と言う部分だけが、ちょっとモヤモヤ😅2022/05/20
ケロリーヌ@ベルばら同盟
65
あんまり哀しいから、あの日々ははちみつ色の結晶にして、ラベンダーの部屋に閉じ込めた。透明な鎧を纏って、訪れる人に本を処方する。夢や願望、抑圧された感情、心の襞を読み取って。魂のための紙の船、セーヌ川に舫う本の薬局は、一通の手紙によって船出した。21年ぶりの愛しい者の声に導かれて。新進作家、陽気なナポリ男、嘘をつけない女。折々に旅の仲間を増やして。次々に新しい言葉が生まれ、体内の星屑の存在に気付き、封印していた愛を解き放ち、現実に対峙する勇気を養う旅。魂の希望地を目指し、私もずっと一緒に川を漂っていたかった2019/05/27
mizuki
47
セーヌ川に浮かぶ船上で、悩める人々に本を処方する書店主のジャン・ペルデュは、自身の心の傷と向き合う時が来た。21年前に離れていったマノン。彼女はなぜ?どこへ行ったのか?その謎を追いかけながら、船旅で出会う人々との交流で、ジャンはゆっくりと愛について考える。本好きさんはもちろんのこと。人生に"遅かった"と後悔している人、恋に悩んでいる人には特に読んでほしいです!ジャンが処方する本や、彼が出会った人々から必ず勇気をもらえます♡♡2019/04/10
ゆかーん
41
「恋」というものは、どうして人の心を狂わせるのでしょう。20年以上の歳月を経ても、書店主を営むペルジュは遠い記憶の彼女が忘れられません。彼女を追い求めて旅に出たペルジュは、行く先々で人々に本を処方しながら旅を続けます。人には的確な処方ができるのに、自分の事となると全く分からなくなってしまうペルジュ…。私は女性なので、どうしても恋人のマノンの気持ちを考えるのですが、彼女の人生の選択もすごく難しい…。大好きなものが2つあった時、1つだけ選ぶならどんな選択をすべきなのか?せめて悲しい恋だけは避けたいものです…。2022/01/19