水が世界を支配する

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  • サイズ B6判/ページ数 455p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087734751
  • NDC分類 517.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

いつの時代も人は水と生き、水と闘う
生活用水を潤沢に得られるか、大河や海を交通ルートとして使えるか、水を動力エネルギーとして活用できるか。おなじみの世界史の流れを「水」を切り口に振り返り、次世代の水王者を予測する。

内容説明

世界史の謎は、“水”をキーワードにすれば解ける。古代から、水に挑み、水を味方につけたものが時代を制してきた。そして現代でもなお、水の戦いに勝つものが世界を制する。水をめぐる歴史ロマン。水が解明するパワーゲーム。

目次

第1部 大河の農耕、海の通商(地球と水;水と文明のはじまり;潅漑の帝国;地中海世界の形成;運河の中国文明;砂漠に咲いた不安定な文明)
第2部 ヨーロッパが一歩先んじた水革命(鋤、水車、商船;大航海時代;蒸気がもたらした富と力)
第3章 豊かな水を享受する消費社会の誕生(公衆衛生革命;水のフロンティア、アメリカ;巨大ダムが生んだ豊富な水とエネルギー)
第4部 水不足の時代(水は新しい石油;水に飢えたアラブ諸国は時限爆弾;アジアの巨人、インドと龍語句;先進国は水不足を好機に変えられるか)

著者等紹介

ソロモン,スティーブン[ソロモン,スティーブン][Solomon,Steven]
ワシントンDC在住のジャーナリスト。フォーブス誌のスタッフ・レポーター歴任。現在は『ニューヨーク・タイムズ』『ビジネスウィーク』『エコノミスト』『フォーブス』『エスクァイア』など新聞雑誌に寄稿

矢野真千子[ヤノマチコ]
翻訳家。兵庫県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どんぐり

63
ナイル川、チグリス・ユーフラテス川、ガンジス川、黄河。四大文明の発祥地は、いずれも大河流域にある。豊かな水は、農耕を発展させ、海の通商に適し、帝国の発展と一致する。どんな時代でも、優位に立つ社会は劣位の側にある社会よりも、水資源を有効に使っていた。水インフラの維持や治水を怠り、潜在的な水の利用法に目を向けないでいる社会は、例外なく停滞し、衰退した。今日、豊かな水を享受する消費社会が誕生し、世界人口の爆発とともにやがて訪れる水不足の時代へ。限りある水の資源は、食糧不足、エネルギー不足、気候変動の3つある地球2015/07/10

シュラフ

30
アジアモンスーン地帯に位置して水に恵まれた日本人にとって、水不足による危機と言われてもピンとこない話。だがこの本を読んでみると、いまやすでに大国になった中国やインドが深刻な水不足の危機を抱えて、それが経済のアキレス腱であるということがよく分かる。豊かな生活を支えるためには淡水が必要なのだが、この両国は地下水の過剰な汲み上げに頼っている。この地下水が涸れた時にはその地域一帯は乾燥地帯となり、もはや人が住めない地域となる。政治の「治」とは、政府の重要施策は治水事業である、ということを意味するとはじめて知った。2018/01/21

メルセ・ひすい

3
15-66 現在に生き残った五大文明とは…西欧・イスラム・中国・インドそして日本文明だっ ハンチントン曰く! 「日本文明はどの文明とも敵対しないが、どの文明とも連携しない」。世界史からは孤立していた。しかし、「 水と日本文明」の中にこそ、人類の未来への指針が潜む。賢い水循環システム社会の構築した唯一の文明国! 水の戦いに勝つ者が世界を征する。生活用水を潤沢に得られるか、大河や海を交通ルートとして使えるか 、水を動力エネルギーとして活用できるか。世界史の流れを「水」を切り口に振り返り、次世代の水王者を予測す2011/09/22

Hiroki Ishiyama

2
水をキーワードに世界史を説いた本。農業、エネルギー源、健康状態の維持・向上の重要な要素である水を制した者が文明を繁栄させてきた。紀元前の4大文明から近代の産業革命、アメリカの発展も水を有効的に活用してきた。日本は世界5大文明の一つに数えられながら本書では記述されていないが、島国として他国との水の直接的な争いには巻き込まれなかった幸運があったからだろうか。かといってバーチャルウォーターの輸入では世界有数の国として、世界的な水不足に対応するべきなんだろう2012/04/28

taming_sfc

2
水にまつわる世界史的広大な視野から、時間的にも長期的なスパンで、水をキーワードに文化から国際政治に至るまで、マルチ・ディしプリナリーに描き出す、水の歴史に関する著作とでも言えばよかろうか。文明と水、エネルギーとしての水、水不足の時代としての現代、そしてこれからどうあるべきかを描き出す。本書の緻密な筆致もさることながら、この分量の著作を2000円で出版した集英社の心意気に感嘆せざるを得ない。水に関心のある多くの学生必読の書であろう。2011/12/22

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