ショパン炎のバラード

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087734713
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

時は20世紀末、スイス山中に隠棲する老ピアニストが死を前にして自らの生涯を回想する…巨匠ベネデッティ・ミケランジェリを思わせる天才ピアニスト「私」は、1978年、パリで、亡命ロシア人の追跡をうけ、ショパンが死の直前に書き遺した謎の楽譜を託される。それは「バラード第四番作品52」の未発表フィナーレ『プレスト・コン・フオーコ』。秘められた恋人に捧げられていた。楽譜はショパンの死後、数奇な運命を辿って流転、革命と反革命のパリからナチス支配下のベルリン、スターリン体制下のモスクワ、さらにはサンティアゴへ―歴史の奔流に弄ばれめぐりめぐって今は「私」の手にあって、手稿譜の解明とともにショパンの秘恋が暴かれていく…。カンピエッロ賞受賞作。

著者等紹介

コトロネーオ,ロベルト[コトロネーオ,ロベルト][Cotroneo,Roberto]
1961年アレッサンドリア生まれ。トリーノ大学で哲学を専攻のイタリアの文芸評論家。長年週刊誌「エスプレッソ」文化欄主筆として「禁書目録」という欄で辛口の批評を連載。『ショパン炎のバラード』で小説デビュー。同書でカンピエッロ賞受賞

河島英昭[カワシマヒデアキ]
1933年生まれ。イタリア文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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rumi

2
巨匠ミケランジェリの没後四ヶ月満を持して発表された本書。ミケランジェリと思われる主人公の死を目前にしての回想録。めぐり逢うべくして彼の元に辿りついたショパン バラード第四番の遺稿の謎。グールド派でありショパンを聴くと魂が揺さぶられ苦しくなる私としては読み進める事はかなりの苦行… 繊細なミケランジェリの音を聴きつつ本書を読むとフィクションと思えなくなる。音楽とは情念を語る手段ではなく情念そのもの… ショパンもミケランジェリもその闇があるからこそ後世の人間の想像力を刺激し新たな芸術を生み出させるのかも。2012/09/19

工吉

1
がりがりがりがり同じ円をなぞるような、難解で印象がさらさら流れてゆくような文章はまさしく音楽みたいで、ますますこういうものを日本語から日本語で書くのは難しい。情念の筆跡、を執拗にくり返す、そして作家自身の音楽への観念を見事に文章に著したが、勿論文学に造形がなければなしえない仕事だ。だだもう何作か書いたほうが、文学世界に広がりが出てくる気がする。しかし堪能した。2011/01/14

みるて

0
図書館の本 読了 初ロベルト・コトロネーオ2011/02/11

沙章

0
難解。翻訳ものだから?読みにくかった。長い割にはあまり内容がなかったような。昨年はショパンものをたくさん読んだけど(読メ開始前だったので登録していませんが)今まで読んだもので十分だったなぁ。新聞の書評でいいこと書いてあったんだけどな…2011/01/06

みかん

0
硬質で星空と対話するような、音楽と情念の触れ合い2020/01/02

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