内容説明
前作、衝撃の自伝『玉ねぎの皮をむきながら』でナチスの武装親衛隊員だった過去を打ち明けたグラス。今度は自らの素顔―離婚劇と私生活―を赤裸々に告白した。終戦、冷戦、東西分裂、ベルリンの壁崩壊、再統一という第二次大戦後の時代の荒波の中、作家として旺盛に執筆、また真摯に政治的発言をしていたグラスは、一方、家庭では、一人の男として、夫、父親として、のっぴきならない多くの問題を抱えながら生きてきた。二人の妻、二人の愛人、八人の子ども…。箱型カメラのレンズを通して、作家グラスの凄絶な後半生と封印されてきた真実の姿が明らかになる。前作に続く、驚愕の告白を内包した、自伝第二弾。ヨーロッパを再び騒然とさせた、ノーベル文学賞作家の問題作、待望の刊行。
目次
取り残されて
フラッシュは使わずに
奇跡によって
しっちゃかめっちゃか
願い事を唱えてごらん
後ろ向きに
スナップショット
非行
高い空の上から
著者等紹介
グラス,ギュンター[グラス,ギュンター][Grass,G¨unter]
現代ドイツ最大の作家。1927年、港町ダンツィヒに生まれる。第二次大戦中、最年少兵士として召集され、戦闘に参加して負傷、米軍の捕虜となる。この体験が後に作家としての核となる。『ブリキの太鼓』『猫と鼠』『犬の年』の“ダンツィヒ三部作”で地位を確立。その後も『鈴蛙の呼び声』『蟹の横歩き』など問題作を次々に発表。’99年にノーベル文学賞受賞。『玉ねぎの皮をむきながら』でナチスの親衛隊員だったことを告白し、世界に衝撃が走った
藤川芳朗[フジカワヨシロウ]
1944年愛知県生まれ。独文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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