箱型(ボックス)カメラ

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087734690
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0097

内容説明

前作、衝撃の自伝『玉ねぎの皮をむきながら』でナチスの武装親衛隊員だった過去を打ち明けたグラス。今度は自らの素顔―離婚劇と私生活―を赤裸々に告白した。終戦、冷戦、東西分裂、ベルリンの壁崩壊、再統一という第二次大戦後の時代の荒波の中、作家として旺盛に執筆、また真摯に政治的発言をしていたグラスは、一方、家庭では、一人の男として、夫、父親として、のっぴきならない多くの問題を抱えながら生きてきた。二人の妻、二人の愛人、八人の子ども…。箱型カメラのレンズを通して、作家グラスの凄絶な後半生と封印されてきた真実の姿が明らかになる。前作に続く、驚愕の告白を内包した、自伝第二弾。ヨーロッパを再び騒然とさせた、ノーベル文学賞作家の問題作、待望の刊行。

目次

取り残されて
フラッシュは使わずに
奇跡によって
しっちゃかめっちゃか
願い事を唱えてごらん
後ろ向きに
スナップショット
非行
高い空の上から

著者等紹介

グラス,ギュンター[グラス,ギュンター][Grass,G¨unter]
現代ドイツ最大の作家。1927年、港町ダンツィヒに生まれる。第二次大戦中、最年少兵士として召集され、戦闘に参加して負傷、米軍の捕虜となる。この体験が後に作家としての核となる。『ブリキの太鼓』『猫と鼠』『犬の年』の“ダンツィヒ三部作”で地位を確立。その後も『鈴蛙の呼び声』『蟹の横歩き』など問題作を次々に発表。’99年にノーベル文学賞受賞。『玉ねぎの皮をむきながら』でナチスの親衛隊員だったことを告白し、世界に衝撃が走った

藤川芳朗[フジカワヨシロウ]
1944年愛知県生まれ。独文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

slowlifer

23
ドイツのノーベル賞作家。2人の妻、2人の愛人、8人の子供。暮らしぶりやエピソードを時系列に盛り込んだ自叙伝。子供達の視点で、子供たちの感情を想像しながら、彼らに語らせる独特の手法。破天荒にも見えるが、作家として執筆に向き合う姿勢、お世話になったマリーさんへの対応などは誠実そのもの。「ノーベル賞受賞記念講演」で「…書き手は同時代人として目を見開き、…時代の変動に身をさらして積極的に口を挟み、賛成反対を明らかにする…」との発言。作家としての誠実さだと思う。そう言えば桐野夏生も似たようなこと言ってたかな…。2018/12/23

あかふく

1
『玉ねぎの皮をむきながら』に続く自伝第二部。とくに作家として作品を書いている時期について述べられる。子供たちが当時のことについて語るのを録音し、それを書き起こした形であり、魔法のカメラによって過去、未来、願望を撮影するマリーさんが中心的な人物となっている。自伝という了解があるなか、まるで加工したかのような写真について語る(ただし全て今は無い)ようなことや、子供に語らせたものを録音したという手法を取っていることなど、非常に奇妙な作品。2012/09/30

ぷるぷる

0
そういえば私はグラス好きだったと思い出して久々に読んでみた。前置きも少なくいきなり話が始まって不条理感たっぷりかと思ったら、実際に自分の子どもたちを作中に登場させて父の過去を語らせているらしいと判明。変わった自伝ものかと思ったら、不思議なものが写るカメラがでてきて、また不条理感。カメラの持ち主たるマリーおばさんは超常的存在だったりする。個人的には雰囲気を楽しむものでした。自伝の前半である「玉ねぎの皮をむきながら」は衝撃的告白があるらしく普通の自伝らしいので読まなきゃいけないっぽい。2013/11/01

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