内容説明
全米図書、ピュリッツアー賞作家アニー・プルーが現代アメリカの根深い矛盾と危機の縮図を描く最新作。
著者等紹介
プルー,アニー[プルー,アニー][Proulx,Annie]
1935年、アメリカ・コネチカット州生まれ。雑誌のライターを経て短編小説を書き始め50代から本格的な執筆活動を始める。’88年短編集“Heart Songs and Other Stories”でデビュー。’92年長編小説“Postcards”刊行、’93年同書でフォークナー賞受賞。’93年2作目の長編『港湾ニュース』で全米図書賞、’94年のピュリッツァー賞受賞。’96年長編『アコーディオンの罪』、’99年短編集“Close Range”刊行。現代アメリカ文学を代表する作家の一人
米塚真治[ヨネズカシンジ]
1966年神奈川県生まれ。東京大学大学院英文学専攻博士課程修了。大妻女子短大助教授。現代アメリカ小説専攻
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感想・レビュー
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ハレ
8
アニープルーは3作目。この本を含めてプルーの小説の主人公達には共通点があるのに気付く。皆貧しく不幸な子供時代を送っている。けれど、決してひねくれたり、悪の道に入り込んだりはしない。そして必ず愛を注いでくれる人物が現れる。彼等がコツコツと生きる道と幸せを築いていく様子は3作とも同じ。この「オールドエース」のストーリーには大きな動きはない。が、じわりと面白いのだ。愛おしくなる人達がそこにいる。読むたびに思う、プルーは人を肯定し、人を信じ、人が好きなのだと。私は読み終えると暫しプルー中毒になる。2023/01/14
Aoka
1
風変わりな人々が口々に語るテキサスの地方史のような小説。主人公の青年含め、欠点の多い憎めない人物が多く登場する。小説としてもずいぶん風変わり。2008/11/05
himehikage
1
大した筋がないのに、1ページとて飽きないというか、味わい深い。ユニークなエピソードの数々が、実話なのか、作家が紡ぎ出すファンタジーなのか、その境目が混沌としていて、一貫して「微妙に」現実離れしているところが面白い。2006/10/22