内容説明
71歳のユダヤ系アメリカ人コールマン・シルク。輝かしい経歴を誇る古典学の教授である。そんな彼が黒人学生に対して人種差別発言を行ったと非難され、大学を追われることになろうとは…。そんな発言ができないことは、誰よりも彼自身が一番よく分かっている。なぜなら、彼には人生のすべてを賭けた秘密があったから…。失意のどん底でコールマンがつきあい始めたのは、すべてが対極的な位置にあるフォーニアだった。貧しく、無学で粗野、暴力を振るう元夫につきまとわれ、常に怯えながら暮らしている若い女性。だが親子ほども年の違う二人の恋は、周囲に新たな波紋を巻き起こすことになる…。巨匠フィリップ・ロスが一人の男の運命に20世紀アメリカの苦悩と悲劇を重ねて放った問題作。ペン/フォークナー賞受賞。
著者等紹介
ロス,フィリップ[ロス,フィリップ][Roth,Philip]
1933年、ニュージャージー州ニューアークで生まれる。父はユダヤ人。1959年、処女作品集『さようならコロンバス』が刊行され、翌年、26歳の若さで全米図書賞を受賞、圧倒的な賛辞に包まれる。その後も一作ごとに新たな作風に挑み、ユダヤ人社会を阻害するものに対する反逆、挑戦をテーマにアメリカ社会の繁栄の陰に潜む腐敗を見つめている。また鋭い批評精神と博識に支えられた豊かな想像力によって、現代文学の先端を行く重要な作品を続々と発表している。2001年、アメリカ三部作でペン/フォークナー賞受賞
上岡伸雄[カミオカノブオ]
1958年東京生まれ。東京大学大学院英文科修士課程修了。明治大学文学部教授。20世紀アメリカ文学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
まふ
NAO
すえ
星落秋風五丈原