ブルーベア

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  • サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087733853
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

自然写真家・星野道夫が撮った奇跡のように美しい作品の背景には、類い稀なる友情の物語があった。現在もアラスカでガイドをつとめる著者は、90年の春に、テレビ局の仕事でやってきた星野と初めて出会う。はじめは驚戒心を抱いたものの、星野の飾らないやさしい人柄にふれるたびに少しずつ惹かれていき、やがて意気投合したふたりは、幻のクマとして知られるブルーベアを撮影しようと決意する。そして各地で耳寄りな情報を集め、繰り返し奥地へと船を出すが…。撮影の現場や移動の船のなかで、何週間も寝食をともにした著者ならではの視点から、素顔の星野道夫が、尊敬と愛情溢れる筆致で描かれる。極北アラスカの大自然を舞台に育まれた、素晴らしい友情の軌跡をつづる感動の回想録。

目次

断絶
最初の出会い
海面の爆発
レフュージア
ラッセル・フィヨルド
ジョンストン湾
マラスピーナと幻滅湾
ツナミ
殺人鬼のパン屋
嵐のない場所
南のかたファンショー岬へ

通過者たち
奇蹟の赤ちゃんと姿を変えるクマ
山火事
カムチャツカ
三原色

著者等紹介

スクーラー,リン[スクーラー,リン][Schooler,Lynn]
野生動物の写真家として、雑誌『アラスカ』の大賞2回と、『ナショナル・ワイルドライフ』の大賞を受賞。アラスカに30年以上住んでいる。『ブルーベア』が処女作

永井淳[ナガイジュン]
1935年秋田県生まれ。翻訳家。ジェフリー・アーチャー、スティーヴン・キング、ロアルド・ダール、アーサー・ヘイリーの作品など、訳書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

piro

34
著者が星野道夫さんと共にアラスカの大自然、そして幻のブルーベアを追い求めた日々を中心に語られる一冊。著者自身の生い立ちに起因する歪んだ内面や閉ざされた心が、星野さんとの親交を通じて少しずつ解放されていく様にも感じられました。人懐っこさ、写真への厳しさ、そしてアラスカの自然に対する敬意と愛情。友人からみた星野さんの姿がありのままに描かれていて、少しだけその人柄に触れられた気がします。「ある場所がきみにとってとても重要だとしたら…本を一冊出すことがきみの責任になる」星野さんが著者に語った言葉が心に残りました。2022/05/08

booklight

29
アラスカでの、星野道夫の船旅のガイド。自分の船で観光客を送り届ける仕事をする中で星野道夫に出会い、「ブルーベア」を一緒に探す中で、友情が深まっていく様子が描かれていく。第三者から見た星野道夫が新鮮で、想っていたよりも積極的で、想っていたよりも不器用で、想っていたよりも人に熱い。船旅ガイドの仕事や人柄も興味深い。星野道夫に濾過されたアラスカではなく、不純物の混じったアラスカを知ることができ、そして改めて星野道夫の貴重さを実感できた。最後の事件のくだりも、非常に残念だが、そういうこともあるかと思ってしまう。2023/06/25

kurupira

7
星野道夫の友人として、また専門ガイドとして、カメラの弟子として、アラスカを共に過ごした探索の日々が描かれており、非常に興味深い 星野道夫の写真集の舞台裏を見れる作品として評価したい2023/03/12

Yuko

5
著者が星野道夫に捧げた本。長年の友情がどのように始まりどのように終わったのかが綴られている。アラスカの美しい自然やミチオと共に過ごした時間。まるで読者も一緒にそこにいたかのような錯覚をおこさせる語り口。アラスカの大自然の中で、クマやクジラの写真を撮ることが、どれだけの忍耐を要し、雨・風・波、そしてクマなどによる危険や死と隣り合わせなのかを考えたこともなかったなあ。 ブルーベアーにはついに巡り遭えず逝ってしまったミチオ。リンがその後ブルーベアーを発見した時のミチオへの呼びかけ、不在感、喪失感が胸に迫る。 2016/02/04

511

3
1.決して文章がうまいわけではない。だからこそ、筆者の素朴さと実直さが本全体を暖かなものにしてくれる。彼は自身でいう通り、気難しくて偏屈なところがある人間かもしれない。それは繊細で、純白だと言い換えることもできる。ひそやかな恋や子供っぽいともとれる自尊心など赤裸々につづられた彼の文章は、広がりに満ちている。アラスカの限りない風景が、背後に広がっている。2.アラスカの美しさ、星野道夫という男の魅力さ。爽やかで、暖かい。一度でいいから訪れてみたいものだ。時間に捉われないただ自然のためだけの自然。美しいだろう。2017/09/23

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