内容説明
私たちはあまりにも死から遠い日常を歩き続け、いつしか準備することさえ忘れてしまった。しかし医療の進歩は容赦なく「来るべき時」の選択を問いかける。インフォームド・コンセント、生の質(QOL)、臓器移殖、脳死…。本書は、命に関わる病気と闘っている人のための書だ。が、それ以上にその伴侶、両親、子ども、兄弟、友人のための道しるべでもある。本人のためには17の権利を浮き彫りにし、家族のためには身内同士の、あるいは医師や病院スタッフとのコミュニケーション方法を述べた。
目次
第1章 生きている人間
第2章 感情の表現
第3章 決定への参加
第4章 痛みの生理
第5章 痛みの感情
第6章 精神性と死
第7章 子供と死
第8章 死の生理
第9章 台風の目の中で死ぬこと
第10章 孤独で死なないこと
第11章 遺体
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーちゃん
0
心構えができました。とても良い本でした。感謝。2011/11/08
みんみーな
0
面白かった
ぴょんpyon
0
本書の内容は「生きている人は、生きているように扱われなければならない」という言葉に集約される。死が避けられない状態になった人に対して、死に関する話題を避けるだとか、”これから”のことをその人抜きに話し合うだとか、そういうことはよくあることではないだろうか。しかし、それはその人を「不完全」だと見做し、権利を侵害することに他ならないと言う。死に向かう人と残される人の両者が癒しを得るためにはどうすればよいか。さまざまな事例をもとに行動の指針を提案する実用的な側面もある。2018/03/02