内容説明
情熱の都に散った、悲しいほど美しい毒の花。戦争が終わっても傷を負った人たちの悲しみは癒されない。ナチへの復讐を誓った友の狂気に巻き込まれ、レアは南米アルゼンチンへ。加速度を増すスリル!魂を撃つ、悲しみ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みほこ
2
終戦。ニュルンベルク裁判の結果と強制収容所でザラーが体験したことを知ったレアは赤十字を辞める。ザラーの復讐劇に巻き込まれてアルゼンチンへ行く。ナチスの問題は政治的には解決しているとはいえ、当事者のなかでは戦争は終わっていないんだと思った。復讐しても苦しみは増える。暴力は何の解決にもならない。2014/11/18
くりこ
1
No3「悪魔は二度笑う」とともに再読。 パリ解放の部分があまり感動がないまま、あれっ?いつのまにか終戦だわと。 ただその後の反ナチ(ユダヤ人達)の壮絶な戦いには、日本人には想像を絶するものがある。丹念に取材し、細かく書くのは大変なことだったろう。実際はこんなもんじゃなかったはずだけど。 その激しい戦いの話の中で恋愛物をうまく絡ませて読み応えあり。2024/10/22
obst
1
高校時代に読んだ本。シリーズ全巻読んだけれど、この『闇のタンゴ』が一番面白かった。ザラー・ムルシュタイン、まさに”復讐に散った毒の花。ザラーは最期、復讐のために生きることになってしまったが、それでも、その生き方は美しかった。女性として、ザラーの強い生き方に感銘を受けた。