内容説明
情報公開法により発掘した当時の当局資料、初めてインタビューに応じたカポネの甥による驚くべき事実、かつての隣人達の証言…を元に、禁酒法取締官だった長兄と対比させながら、希代のギャングの素顔とその一生を克明に描いたカポネ評伝の決定版!そして、同時に、1920年代、30年代の激動するアメリカ社会をも活写した圧倒的ノンフィクション。
目次
第1章 カンパニリスモ
第2章 東と西が接するところ
第3章 汝は死を覚悟せよ
第4章 逃亡の地、ラウンド・レイク
第5章 アル・カポネの帰還
第6章 ジャズ・エイジ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
15
極めて新しいカポネの評伝。著者はこれ迄何篇か出たカポネ伝の決定版を目論み、膨大な人物の聞き込みや資料の渉猟から本書をなした。訳の常盤新平氏によればそれは果たされたという。長大な原著は上下巻に分けられ、本上巻はブルックリンで育った移民の子供がアウトローとしての成長し、更にシカゴに出てから腐敗する市当局を手懐けつつ実質的に同地を支配する迄を描く。新参移民であるイタリア人、特に南部出身者への偏見は凄まじいが、彼の凶暴さと人好きのする特異な性格は、青年時代初期の梅毒罹患と薬物による障害の昂進によると著者は述べる。2025/11/06
タケゾウ
2
アル・カボネの生涯を、 ニューヨーク(生誕から勃興まで)と、 シカゴ編(衰退期から収監まで)に分けたシリーズ。 ニューヨーク編では、カポネがいかにしてギャング界のトップへと上り詰めたかが描かれている。2023/11/05
蝉、ミーン ミーン 眠ス
2
これまでに目にしてきた映画やドラマの中のギャングスター アル・カポネとは違う一人の人間としてのアル・カポネの姿がここには克明に描かれていた。2018/11/07
橘未定
2
カポネの伝記。当時のアメリカ社会に於ける、イタリア人差別の中、カポネがどうやってのし上がっていったのかが克明に記されている。脚色はほとんど無く、関係者への取材と新聞などの資料をもとに書かれていて、カポネの真の実像に迫っている。訳者の後書きにもあるように、カポネの伝記決定版と言える出来。2009/11/16




