内容説明
1982年5月、ドイツが生んだ世界的な映画女優ロミー・シュナイダーは、パリで謎の死をとげた―彼女の43年間の私生活は、華やかな活躍に反してけっして平担ではなかった。アラン・ドロンとの激しい恋と別離。自殺末遂。その後のさまざまな男たちとの不幸な恋。息子の無残な死。最初の夫の自殺。そして…。本書は親友だった元『シュテルン』編集長が、スターの伝説の陰に隠れていた驚くべき事実に光をあてた問題作である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
noémi
7
なんか妙に読みにくかった本。ロミーが生涯に稼いだ何十億というカネが何故か死んだときにはスッカラカンだったという謎を追いかける。本当のロミーの人生を作者が創作したフィクションの編集者が捜査するというもの。話自体は悲劇だが、ロミー自体は芸能界によくいる自滅型タイプ。両親の不和と不幸な少女時代。そして教養のなさが彼女のトラウマになったのかもしれない。何かにすごく長けている人はとんでもない欠点がある、というのもまた事実。アラン・ドロンは色恋には非情な男だけれど、親分肌で面倒見がいいところが意外だった。2013/07/17
ロピケ
6
彼女が悲劇の女優だと何かの本で読んで以来、気になり続けていた。ノンフィクションのつもりで読み始めたら、小説仕立てになっていて、これはフィクションか…と心配しましたが、あとがきを読んでそうではないと知ってホッとしました。それにしても、あのシシーを可愛らしく演じた女性がこんな人生を歩むことになったとは。彼女にとって、現実と映画の世界が入れ替わるのも無理ない。読んでいて痛々しかった。生涯、ドロンを思い続けたというけれど、ドロンも彼女の死後にその気持ちに報いていたことにスカッとした。ドロンの影の顔にはびっくり。2013/03/28
神在月
2
ロミー・シュナイダーという女優をご存知だろうか?実はオイラも意識して作品を観たことはない。50年代から80年代初頭にかけて活躍したドイツ人女優である。アラン・ドロンと一時恋仲だったというくらいの知識しかない。 持って生まれた美貌と演技力で天才女優の名を欲しいままにして成功を手に入れても私生活のなんと寂しく不幸なことか。かつてロミー・シュナイダーは恋人であったアラン・ドロンにこういったそうである。 「人生で何をしていいかわからない。みんな映画の中でやってしまったから…」