内容説明
1993年度、ピューリッツァー賞、リチャード&ヒンダ・ローゼンタール財団賞受賞作品。
感想・レビュー
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中玉ケビン砂糖
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おれの心に憎しみの感情はひとかけらもない。それは保証してもいい。おれが長らく祖国のために戦っているあいだに、妻はほかの男のもとに走った。片足の不自由な男だった。2014/06/18
takeakisky
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15の短篇。93年のピューリッツア賞。アメリカ人がヴィエトナム人を登場人物として書く。もちろん戦争は背景にはある。が、舞台はアメリカ本土、戦後の話。そういった構造の特異さに目を惹かれるが、ほどほどにした方がいい。故郷を離れ、失ったり、薄れたり、或いは、忘れられなかったり、離れられなかったりする、祖国の、過去の記憶、出来事。過去の社会的アイデンティティ。経験のないことではない。グローバリゼーション、その悲しみ。悪く言えばお涙頂戴、しかし手もなく捻られる。不思議な共鳴が起こる。我々の知っているアジアの静けさ。2025/09/13