内容説明
知的でしっかり者の姉マーガレット。情熱家で美貌の妹ヘレン。ロンドン郊外、ハワーズ・エンドに建つ富豪の邸に招かれた姉妹の前に、運命の扉が開く。複雑な人間関係に中、傷つきながらも成長していく女たち。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
97
20世紀初頭のイギリスの情景…ブルジョア的階級意識・文化人と経済人・革新と保守。些事を丹念に積み上げ人物像を浮き彫りにし、作品全体を論理的推移によって構築する。素晴らしい作品なのだが一読では理解が及ばず、本当の意味での味わい深さを堪能するに至らず。そこで僕は、読了後すぐさま冒頭に戻り再読を試みた…しかも、ゆっくり…ゆっくり…すると見えてきたのは、日本人的感覚では理解し難い心情を、いかにそのニュアンスを変質させずに日本語に昇華させるか…翻訳者の苦心の痕跡。格言的箇所のセンテンスが、総じて長い事も難読の一因。2019/11/11
Ryuko
25
思慮深い姉マーガレット、美しく奔放なヘレン。2人の姉妹が出会う二組の家族。ブルジョアのウィルコックス一家と貧乏な事務員レオナードとその妻ジャッキー。価値観の異なる彼らとふれあい、誠実に付き合おうとするマーガレットとヘレン。。。人と人との出会い、死、恋愛、結婚を描いた作品。マーガレットの誠実さ、思慮深く見えて内に秘めた情熱に心惹かれて読み進めた。2017/06/11
スイ
9
「ただ詩と散文を結びつけることさえすれば、そのいずれもが光を発し、人間的な愛はその頂点に達することになる。」 面白かったー! 長い物語を経てのこの着地点の良さよ…。 様々な人物の内面を、最大限文章化する見事な手腕に三島由紀夫を思い出したが、三島の眼差しの冷静さに対してフォースターの眼差しは温かい。 何度も噛み締めたい文章でいっぱいだった。2018/02/15
久美
2
再読。フォースターの「代表作」(と個人的には思う。)人は互いに理解しあえないのだということを許し合わなくてはならない、ということ。only connect… ただそれだけが大切で、それだけが難しい。2012/07/29
かな
1
日本語が読みづらかった。フォースター作品の人物が持つ人を傷つけない正直さや素直さが好き。2011/11/18