内容説明
誰もが漠然とした生きにくさを抱える現代社会。こんな状況だからこそ、あえて仏教をおすすめします。日常生活を再点検し、苦を生み出す原因を知る。「世間」や「私」といった枠組みを相対化する。無執着をめざし、極端を避ける…などなど、仏教の知見は今すぐ活用できて、より良く生きるために必要なものばかり。気鋭の宗教学者にして僧侶である著者による、目からウロコの仏教案内。
目次
第1章 自我のバブルは続いている―いきなりはじめる仏教生活への手順その1 苦しみのメカニズムを理解する
第2章 宗教の本質について考える―いきなりはじめる仏教生活への手順その2 正解なき問いに繰り返し喰らいつく
第3章 出世の回路が聞く道筋―いきなりはじめる仏教生活への手順その3 あとはただ仏教が好きになるのみ
第4章 「十牛図」で生きるプロセスをイメージする
第5章 「二河白道」で仏の呼び声を聞く
第6章 あなたは仏教を知っている
第7章 仏教を“聞く”、仏教を“感じる”
著者等紹介
釈徹宗[シャクテッシュウ]
1961(昭和36)年大阪府生れ。浄土真宗本願寺派・如来寺住職。兵庫大学教授を経て、相愛大学教授。専門は宗教思想。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
22
内田先生の御著書で知り拝読。日本で生まれ育った以上、仏教を受け入れる土壌に存在していることを再確認できた。他の宗教に比べて案外寛容である点も興味深かった。教養のためと思って読ませていただいたけれど、話言葉なので理解しやすいのも特長のひとつ。2014/09/05
梅ちゃん
5
私はこの本に書かれている『変わりたくないという執着』がかなりきつい人間なのだろう。いつかもう一度読んでみよう。2013/10/22
晴間あお
4
「仏教生活」とあるから儀礼などを紹介する本かと思ったら違いました。思想的というか、仏教的な考え方や物事の捉え方という感じです。まず近代の人々の自我がどのように変容したのかが書かれています。仏教は何もかも相対化していくそうですが、まずは数百年という単位での相対化ということでしょうか。この時点で当たり前だと思っていた自我が揺らぐ人もいるのでは。それからあの世を持ち出し、ぼくたちが生きるこの世すら相対化していく。射程が長く、自分の枠が揺らぎます。でも、こういう考え方こそ現代に必要なのでは、と思える内容でした。2016/06/10
梅ちゃん
4
私はこの本にかかれている『「変わりたくない」という執着』がかなりきつい人間なのだろう。 もう一度、読んでみよう。2013/10/22
カツ
3
前から気になっていた釈徹宗さん。初めて読んでみたが結構くだけた文章で読み易い。今まで禅宗系の本を読んできたが浄土系も面白そう。法然上人も気になったので、今度浄土系も読んでみよう。2021/07/13