魔女と呼ばれて

魔女と呼ばれて

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  • サイズ B6判/ページ数 351p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784087731132
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ルースは身長185センチ、体重90キロの大女。夫のボッボより10センチも背が高い。黒髪で目はぐっと引っ込み、長く突き出た顎に毛の生えたホクロが3つ、見事な醜女だ。有能な会計士であるボッボは、若気の過ちで彼女と結婚したことを、もちろん後悔している。ロマンス小説のベストセラー作家、メアリ・フィッシャーが原因だ。彼女は美しい金髪で、ボッボより15センチも背が低い。夫は彼女との愛の生活にのめりこみ、海が見える灯台の塔の家に住む。ルースはくやしい。しかし、どうすることもできない。ある日、夫がへまばかりのルースに怒りを爆発させ、「おまえは魔女だ!」と怒鳴る。その瞬間、ルースはメラメラとめざめた。もしわたしが魔女なら、わたしはなにをしてもいいんだ。ふたりに対するルースの復讐がはじまる…。フェミニズム文学の最高傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

109
英国の人気作家による笑いと恐怖の物語。身長185センチのゴツイ妻が税理士の夫を小柄の美女人気作家に寝取られて、怒りのあまりすべてを投げ打ち「魔女」となって周到な計画により二人に復讐する。その執念たるやものすごく、歯やホネなど自らの肉体を(整形などという生易しいものではなく)改造してまで、亭主とその相手の人生をトコトンボロボロにする様は「あなおそろしや」と言えるほど。女性の執念とはここまで行きつくものだろうか、とひたすらゾゾゲ。世の女性はもとより男性もなべて読むべき本かもしれない。 G478/1000。2024/04/05

NAO

64
メアリは小説に嘘を書き、華やかな暮らしを手に入れた。ボッボは、自分が見たいものしか見ず、現実の生活を否定し続けた。現実を生きるルースは、二人から否定され、虐げられことに怒りを覚え、二人に復讐した。だが、そのルースも、整形に手を出したことで、現実から嘘の世界へと足を踏み入れてしまう。現実を捨てたルースは、いつかメアリやボッボと同じように堕ちていくのではないか、その失墜はすでに始まっているのではないか。ルースにとっては万々歳のラストからは、そんなことも感じさせる不穏さが漂っている。2021/06/17

白のヒメ

49
身長185㎝の主婦、顔のほくろには毛が生えている。自分よりも10㎝低い身長の夫、不細工な子供達、平凡で退屈な日常のある日、夫が美人のロマンス小説家と不倫をした。自分とは正反対の小柄の美人。そこで主人公は復讐を心に誓う。・・・テンポよく、歯切れの良い文章。テレビドラマを書いていた作家とあり、納得。人を陥れようとして自分が幸せになるはずもなく、読後感は不毛な感じが残る。でも主人公があまりにも清々しいのでこれもありかなと思ったりして。65/1000 英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊2015/07/13

しょうご

1
前半テンポがありリズミカルでウィットでユーモアな会話とト書きが、コメディータッチであり脚本的・映画的である。(彼女は脚本家でもある)話はジワジワと段階的に復讐劇は加速・増長する。宗教感や政治姿勢、財政現状について造詣ある見解もあるが、流れの暗さの中に埋没してしまっているのが多少残念。主人公ルースはフェミニストとはいえないだろう。世の主婦層は多少の鬱憤を夫・家族に抱いているとしたら、その方々にはスカッとスッキリな書籍になるやもしれぬ。いや、そう簡単にはいくまいよ。2017/11/26

okamo5

1
徹底した復讐だが、その方法も辛抱強くて賢いので小気味よい。また読みたい。2012/07/03

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