内容説明
検察側の正義と弁護側の正義。そして、検察審査会の正義。それぞれの正義が交錯する法廷ミステリー長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
95
小杉作品はかなり読んでいたはずだがこれは今回が初!上下二段力作だった。妻の不倫から始まった話がドンドンあれれの方向に進んでいく。そして、全く別の事件のはずが終盤でパズルが合うのだ!未熟な私はラストまで犯人は判らなかったが巧い組み立てだったと思う。小杉作家の言いたかったことは・・日本の司法を憂いているのだ。オイオイ、君たちも出世とか政界絡みの世界に生きているのかい?裁判員制度が出来て数年、それ以前に検察審査会はあったのに、今頃知るなんて恥ずかしい。だが断る理由は私には無い(汗)2017/05/16
ゆみねこ
40
検察審査会とは、不起訴処分になった事件を起訴相当か不起訴かを審議するもの。企業の管理職のためのセミナーで、しごきによるものと見られた死亡事件が起き不起訴となった事件を、この審査会で取り上げるようにと依頼された一人の女性。しごき事件と、一人の男の殺人事件がつながって行くプロセス、中々読み応えがあり面白かったです。小杉さんの法廷ものは良いですね~。2014/03/14
ちゃさち
22
不倫中に夫が会社の研修でしごきにあい死んでしまう、その事件とサラリーマンが自宅で殺される事件。この二つがどう関わるのが、中々わからなかった。検察審査会でしごき事件の再審が起き、実はしごき事件は犯人と思われた教官ではなく研修にきていた人達が被害者を脅し加害を加えていた。それを知っていたサラリーマンが犯人たちを脅迫。登場人物たちがいい人と思っていたら違うということを教えられました。2018/02/28