内容説明
ニューヨークへの季節亡命、「昭和」の終焉、ベルリンの壁の崩壊、湾岸戦争、ソ連の解体―。世界史的転換の渦に呑まれて、都市の書物をさすらい、絶えず越境しつつ自ら変容を遂げようとする若き作家の、旅とエクリチュールの軌跡。
目次
プロローグ せっかちな自伝
模造人間の歌月記
時には親のない子のように
エイズ 偉大な教師
人間を魅きこむ経済の魔力
移民になるための初級レッスン
測量
中心と不在のあいだ
稽古場で思いついたこと
湾岸戦争を読む
第三次世界大戦の時代
エピローグ ぼくはかくかくしかじかの者であるから誤解するな〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青豆
4
1987年から1991年の間に書かれたエッセイ集。サブタイトルにある「クロニクルズ」という言葉の通り、世界各国を旅した際のエピソードや、自身の文学的素養や思想などが年代ごとに記されている。20代後半から始まり30歳となった島田雅彦は初エッセイ集の時より少し柔和になった気がする。この作品で島田先生が坂口安吾がお好きだという事を知り驚く。ニューヨークでの生活はニューヨーカーになって浮かれていたのが明らかで苦笑まじりに読んでしまった。2014/04/29
tamioar
0
著者30歳のエッセイ集。あまりに早熟。2015/07/19
erica
0
島田先生のエッセイは難しすぎてわからない箇所がたびたび出てきて読むのに苦労します2008/05/17