革命のためのサウンドトラック

革命のためのサウンドトラック

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784087727722
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

第14回すばる文学賞受賞作。耳をふさげ、音を視ろ!視覚と聴覚の革命をめぐるニュー・エッジ文学登場。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

15
中原昌也の本の宣伝で初めて名前を知った作家。46才で亡くなったとか。映画ブレードランナーとかAKIRAの街のような退廃した街の殺伐とした小説世界だ。読んでいてあれっと前を読み直すこと数回あり。ほぼ同じフレーズが使われていた。それも似たような重要なシーンででてきてなぜか薄ら寒くなった。当然意図的でバロウズのカットバック手法のようだ。バロウズの訳書も出していた。この作家は単行本で四冊小説を出しているようだ。尖り過ぎでどれも文庫本にはなっていないようだ。当然ともいえるか。すばる文学賞受賞作。2013/06/23

苺畑序音

14
気づいたら街に置いてきぼりにされていたので、久しぶりにキャバレーヴォルテールを聴いた。2016/02/17

YO)))

11
世界は巨大な再生装置だ,音楽ではなく音を,言葉ではなく音を聞け.ノイズ,ノイズ,ノイズ…….キャバレー・ヴォルテールの流れる湾岸のクラブ,ギミー・シェルターから,退廃と不条理の渦巻く街へ. 箱庭的なセカイが終末に向かっていく感じは如何にも90年代らしいが(「革命のためのサウンドトラック」など作られはしないのだ),魅力的な陳腐さを交えながら,硬質に刻まれリフレインされるテキストは,ある種のノイズ/インダストリアル・ミュージックを聴いたときのように,皮膚と聴覚を刺激して止まない希有のものだ.2014/05/03

8
昔の今に小説を書こうとしたら多分こうしかできないのだろうと思う 例えば明治や大正の小説の中にあって過去存在した世界、押絵、着物の合わせから取り出す手紙、座敷の奥の間、そういうものの代わりに私たちには動物と同じ焼却炉で焼かれる人間の死体や歯科矯正ブリッジの反射光があるわけで 多少時代に束縛されている気がするけどそれでも十分 慰められた でも、この本で準備されたものは震災があったからもう必要なくなってしまったとも思う もはや これからの日本で小説なんか書けるのだろうかとも思う 封印された90年代 逃走の場所2017/09/25

もろろろ

3
脱中心的な音楽、例えばシェーンベルクだったら音色のみで音楽を作ろうとしたとすれば、ノイズミュージックはフィードバックだとか、サンプリングや過剰なエフェクトなどで断片化された音のアウラのようなもので構成しようとするわけで、それは音楽化への対抗としての音楽としてまさに音楽である。(音楽になってしまう、と言った方が適切か)この世で見るものは結局要素の断片でしかない。ここに物語を作ってしまうのは寒い。そういうことに自覚的になった著者が送る、風邪のように微分化された世界像。2011/03/04

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