内容説明
激動の昭和史を採った文学者・事件・作品を回想し、証言し、評論する。昭和8年初夏―学生運動で逮捕・論旨退学となった苦い青春時代から、戦争・敗戦を経て、昭和26年の朝鮮戦争までを描く。貴重図版200点を収録。長編文学エッセイ。
目次
第1部(青春の戸口で―文学の魅力を知る、学生運動、島木健作;武田泰淳と私とが見た美しい女性。“予定革命”;太宰治、音楽でのフランス革命;ひとときの傾倒―亀井勝一郎と清水幾太郎;青春の日に知った人びと;戦争下の石川淳、私大文学部の黄金時代;中野重治を知る、『ショパン』論の夢;嵐のなかで。自由と北村透谷)
第2部(敗戦直後 時代の激動を迎える;“荷風体験”、中野重治の獅子奮迅;戦後の原理を求めて;政治の夢、政治のおそろしさ―中野重治と荒正人・平野謙;野間宏の苦労。日本文学協会成立。金達寿の登場;井上光晴、中野鈴子。私の重病;うなっていいでしょうか?―朝鮮戦争下の時代の苦痛と、手術のさいの苦痛と)〔ほか〕