出版社内容情報
著者がこれまで見聞きした特異な心霊話。自殺する者は何を語るのか。老人の、夢とも現実ともつかぬ不気味な昔話の真相は。怪女「黄雨女」とは一体──。戦慄のテープ起こしがいま、始まる。全六編。
三津田 信三[ミツダシンゾウ]
内容説明
恐怖は全て、日常にひそむ。自殺する者は何を語るのか。怪女「黄雨女」とは一体―。怪談六篇と、ある編集者の顛末。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者を経て、2001年『ホラー作家の棲む家』で作家デビュー。10年『水魑の如き沈むもの』で第一〇回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
117
7月に出た作品なのに未だに図書館に入らず…もうダメか、と諦めていた。が、今、来ている娘のところの図書館に何気なく入ったら…棚にあるのを発見!そのまま椅子に座り込んで一気読み。ひたひた…背後が気になる…ひっと息をのみ、回りを見回す。この「これフィクションだよね!?まさか実話じゃないよね!?」感が堪らなく怖い。そして終章の「読者の無事を祈る」の余韻がまたひたひたと…娘のアパートの水回りが全て気になるのであった…2016/12/20
sin
115
本作も作者お得意のご自身を題材にして創作と現実の垣根を取り払うような所謂メタフィクションである。構成としては雑誌スバルに連載した短編を担当編集とのやりとりを幕間にすることによって現実に近づけていく手法がとられているが、その際担当に「先生の書かれるホラーの多くが、実話を基にしている…」と云わせることで最後に読者をも巻き込む伏線としている。連載が続いていく過程で担当編集が怪異に巻き込まれ、読んでいくうちに読者も巻き込まれてしまう…といった傍観者が当事者に変化していくという形を取っている。さぁあなたもご一緒に…2016/08/05
紅はこべ
107
メタホラー?三津田さんが編集者出身だと初めて知った。ホラー作家や編集者がこんな目にあっていたらたまったもんじゃない。2024/04/18
ゆみきーにゃ
93
《図書館》断トツで死人のテープ起こしが面白かった。その企画を思い立つことがまずすごい!三津田さんを読むたび思うが、これはすべて実話?!2018/06/12
たか
91
めちゃくちゃ怖い。プラス内容も面白い。語り口もいい。夢中になって読んでしまった。怪談好きにはオススメの本。2018/05/31