出版社内容情報
人間のもっとも古い伴侶にして身近な他者──「犬」。古代叙事詩から現代の小説、SFそして映画と漫画に至るまで、「犬」のイメージの変遷を辿る。博覧強記・四方田犬彦による古今東西文学エッセイ集。
内容説明
人間のもっとも古い伴侶にして身近な他者。古代叙事詩からルネッサンスの戯作、近代小説、SF、そして映画と漫画にいたるまで、犬のイメージの変遷をたどる。比較文学者にして愛犬家である四方田犬彦の、古今東西文学エッセイ集。
目次
ハーマン・メルヴィルを讃えて
乞食の帰還―ホメロス
二人の動物物語作家―シートンとロンドン
孤独の友だち―ブニュエルとセリーヌ
犬、人を襲う―鏡花、多喜二、ギャリ
四つん這いになる―ドヌーヴと金石範
犬婿入り―『後漢書』と馬琴
冥府より来りて―グラス
犬を人間にできるか―ステープルドンとブルガーコフ
犬をどう名付けるか
密談ピカレスク―セルバンテスとホフマン
犬族から遠く離れて―パニッツァとカフカ
東西名犬対決―『タンタン』と『のらくろ』
復員兵という名の野良犬―吉岡実と北村太郎
犬の眼でモノを見る―ジョイス、原将人、岡部道男、森山大道
文学的ジャンルとしての、犬の追悼
犬は人なり―谷崎潤一郎と川端康成
愛犬と闘犬―江藤淳と川上宗薫
法としての犬
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学比較文化を学ぶ。明治学院大学教授、中央大学校(ソウル)、オスロ大学、清華大学、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学などで客員教授・研究員を歴任する。映画、文学、料理、都市論、漫画と、幅広く文化現象をめぐり健筆を振るう。サントリー学芸賞、伊藤整文学賞、桑原武夫学芸賞、芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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