出版社内容情報
大人気「おれのおばさん」シリーズ。札幌を離れて仙台の高校の寮に入った陽介。しかし学園祭の日、大地震が起きる。仙台に留まり復興を担う決意をした陽介は出所した父と再会し…。感動の青春小説。
内容説明
札幌を離れ、仙台に進学した陽介を襲った大地震。波子さん、母、そして、出所した父との対面は―生き抜くこと、を深く問いかける感動の青春小説!第26回坪田譲治文学賞受賞『おれのおばさん』シリーズ待望の第三弾!
著者等紹介
佐川光晴[サガワミツハル]
1965年2月8日東京都生まれ、茅ヶ崎育ち、北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第三二回新潮新人賞受賞。2002年『縮んだ愛』で第二四回野間文芸新人賞受賞。2010年『おれのおばさん』で第二六回坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
134
シリーズ3作目です。今作は東北の震災復興と「陽介」の親子の復縁がテーマです。高校に入り、それぞれの生活も落ち着き始めた頃、「陽介」に様々な出来事がふりかかります。今作は東北での生活の話が主なので、残念ながら「恵子」おばさんはほとんど出番なしで、少し寂しい気もしますが、「陽介」を中心にした話の展開でも十分に面白さは衰えるコトなく、今作もしっかりと涙の場面を演出してくれています。「波子」さんも再び登場し、高校での新たな友人たちにも恵まれ、よりいっそうたくましく、そしておおらかになった「陽介」の今後に注目です。2015/08/26
モルク
73
シリーズ第三作目。仙台の進学校に進んだ陽介、早々に自らの境遇をカミングアウトする。できればずっと秘密にしておこうと思っていたが、友情のために思わず暴露する。しかしそれを暖かく受け入れる友人たち。そんな友人たちと東日本大震災を通して育んだ友情、出所した父親との軋轢を通じて陽介の成長が描かれる。陽介もそのまわりもみんな良い子ばかりなのができすぎだが、それはそれで読んでいて気持ち良い。さあ、次作はどうなっていくのか、楽しみだ。2017/08/17
itoko♪
73
おれのおばさんシリーズ第3弾。主人公陽介は仙台の進学校で寮に入り、新たな友人達と出会い、そして世界が広がっていた。頭がいいのに頭が悪い人を見下げないところ、教え上手、とくれば教師に向いているような気がする。そして、たゆまぬ努力で未来を切り開く姿には、恵子おばさん同様に勇気が貰える。第4弾ではどんな勇姿を見せてくれるのか楽しみで仕方ない。2015/08/17
よんよん
70
シリーズ第三弾。いよいよ陽介の高校生活が始まる。新しい出会いととんでもない出来事を体験してさらに成長する。キビシイ境遇の中にあっても素直に強く自分の道を切り開く。青年たちに幸あれ!2016/08/16
ぶんこ
67
シリーズ3巻目。陽介の高校生活は、生徒会選挙での全校生徒を前にした、父親不祥事のカミングアウトから始まりました。それは同級生の友人を思っての咄嗟の判断でしたが、その潔さ、男気は天晴れ。 隠そうとするよりも、カミングアウトして堂々としている方が人生生き易いのかもしれないと思わされました。父の出所で揺れる陽介と母。母の苦労を思うと何故離婚しなかったのか最後まで疑問でした。震災にも遭遇してますが、些か表現力が弱かったかな?恵子さんの出番が少なかったのも物足りなかったです。2016/01/23