出版社内容情報
女芸人たちのセックスレス・アンド・ザ・シティ
「女芸人ブーム」が訪れる少し前、40歳を前にした4人の女芸人たちがいた。彼女達の足跡を辿り、この20年の女性を取り巻く状況の変化とお笑いを考察しつつ、それぞれの幸せの形を描く長編小説。
内容説明
こういう女も普通の女。「なにも起こらない人生」を抱えた愉快な女芸人達の物語。二年ぶりの最新長編小説。
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターとして活躍後、77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作入選。以後、小説、評論、戯曲、エッセイ、古典の現代語訳等、幅広い活動を続ける。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で毎日出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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くみこ
21
女芸人達の物語とありますが、とにかく"ブス"連発なので、ブスの思考と行動形態の解説なのかと思うほどです。彼女はなぜそうなのか、を徹底的に描写する事で、女芸人の本質に迫ったのでしょうか。作者自身や編集者も登場する、主観と客観についての考察?。著者の愛読者なら理解して楽しめるのかもしれません。橋本治さんのご冥福をお祈りします。2019/01/31
いくら
13
説明的な文章が続き苦痛だった。以前読んだ『橋』や『リア家の人びと』は面白かったのにな。4人の女芸人が出てきたが、安井貴子が傑作。2013/06/30
昭和っ子
12
男女雇用機会均等法以降も以前もまぁ、女達にもそれなりの苦労はありました(クリスマスケーキなんて死語どころか化石でしょ)が、もう元には戻れないながらも、あんまり先端走るのも・・といったカンジの女達にラストに訪れる奇跡が微笑ましい。これからはまた次の世代の女達の戦いが展開するのでしょう。過去よりもきっとやっぱり時代はよりいい方向に進んでいるみたい、と思わされた。(なんか上から目線の感想になってしまった。年齢に免じて許して下さい!)2012/11/17
小鈴
12
女芸人のヒストリー小説なんだが。2000年代の巡礼からリヤ家までの小説をイメージして読むと肩透かしにあいます。といっても桃尻系の一人称小説でもなく。フィクションとして描かれる女芸人について、新書のようにいつもの橋本口調で分析していくのだ。女芸人という「女」の成り立ちを、男女雇用機会均等法後にでてきた新人類として(笑)。新書のような解説を小説で行うというのは、作者がおもいっきし作者としてでてきて説明します。だから、巡礼系の小説が好きなら、この小説はいけすかないかも。新書の橋本治が好きならばフツーに読めます。2012/10/02
あちゃくん
11
モチーフとなっている女芸人さんたちを思い浮かべながら、にやりとしつつ読み終えました。中盤までは、なぜ橋本さんは女芸人をテーマに取り上げたんだと疑問に思ってましたが、僕らの世代の(団塊ジュニア)の女性のある種の象徴として、捉えていたんですね。その捉え方が面白いと思いました。橋本さんは、戦後三部作に続いて、団塊ジュニア世代をテーマに作品を積み重ねていくんでしょうかね?2013/05/06
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