出版社内容情報
宇宙船から突如失踪したジョバンニの父。最期に遺された「あまのがわのまっくろなあな」という謎の言葉。さあ、ジョバンニと一緒に「銀河鉄道」へ乗りこみ、運命の旅に出かけよう!
内容説明
「いつか、人間は、世界の究極の秘密を知ることができるんじゃないだろうか」宇宙船から突如失踪したジョバンニの父。「宇宙でいちばん孤独な男」の話と、最期に遺された「あまのがわのまっくろなあな」という謎のコトバ。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が21世紀に!高橋源一郎の新たな代表作!
著者等紹介
高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年、広島生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で第四回群像新人長篇小説賞(優秀作)を受賞。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で第一回三島由紀夫賞を、2002年、『日本文学盛衰史』で第十三回伊藤整文学賞を、2006年、『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』で第十六回宮沢賢治賞を、2012年、『さよならクリストファー・ロビン』で第四十八回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
50
「小説」。銀河鉄道の世界をかりて、ありとあらゆる現代的思考の先端を、描くのではなく、つねに突破しようとする大いなる試行。宇宙論も自己言及も多重夢も通過点にすぎず、圧巻なまでの終章は、もはやどこで終わろうと可であり、どれだけ先に行っても不可としか言えない。作品の長さが、熱に浮かされたような眩暈となって襲ってくるようだ。これは文学の限界か、それとも文学を超越したのか?2016/06/14
coolgang1957
42
なんかすごい本でした🤔 私めの、ど頭には理解不可能な話が流れていき、物理法則なんかずーっと彼方に置いていかれる銀河鉄道でした。心も体も何かどこかに持っていかれそうな感じ。ちょっとぼーっとしながら読み進んでいくと、p478でいきなりハッとさせられ、行ったらあかんよ、戻っといでっていうメッセージのように思いました🤭 この話を読むのは、まだ修行と勉強足らんよってつっこまれそうな私めでした。2019/08/10
Yuna Ioki☆
33
1770-203-1 初読み作家№393 何だかよく分からなかった(´`:)思考が銀河の彼方にないと難しいかも。。。2017/09/02
Bartleby
25
何回か読んでみたけれど、この物語の感想をうまくまとめることがやっぱりできない。高橋さんは、言葉というそれ自体よく分からないものを使うことによって、宮沢賢治と出会うことを、彼が見たであろうものを彼と共に見ることを、目指したのだと思う。これはその試行錯誤の長い長いドキュメントだ。その試みがどこまで成功しているのかは判断ができない。でも悪戦苦闘をし続ける高橋さんの姿には、読んでいて心の奥の何かが動かされる思いがした。2015/04/17
SOHSA
25
なかなかに難解な作品。これを「小説」或いは「SF」等という括りで括ってしまっていいものか。存在論、永劫回帰、時間論、認識論、等々いろいろなことが提起され解き明かそうと試みられている。高橋源一郎の描く世界がどういったものか、一読しただけでは正確に理解しえないが、読後、多元的に永劫回帰する時空が螺旋を描きながら、最終的な1点に収束していこうとするようなイメージが浮かぶ。そしてその1点が宇宙の始点であると同時に終点でもあるような。(→)2013/10/03
-
- 洋書
- NEW YORK