そこへ行くな

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087713985
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

直木賞作家の珠玉の7篇
長年共に暮らす男の秘密を知らせる一本の電話、中学の同窓生たちの関係を一変させた401号室での出来事…誰かのささやかな行為に突然、日常を切り裂かれる人々の物語。名手の手腕に酔う一冊。

内容説明

夫婦同然に暮らしてきた男の秘密を知らせる一本の電話(『遊園地』)。バスの事故で死んだ母はどこへ行こうとしていたのか(『ガラスの学校』)。中学の同窓生達が集まったあの部屋の、一夜(『ベルモンドハイツ401』)。「追っかけ」にあけくれた大学生活、彼女の就職は決まらない(『サークル』)。引っ越し先の古い団地には、老人ばかりが住んでいた(『団地』)。貸しグラウンドの女事務員が、なぜ俺の部屋を訪ねて来るのか(『野球場』)。母の入院先に、嫌われ者の同級生も入院してきた(『病院』)。行くつもりはなかった。行きたくもなかった「場所」へ―全七編収録。

著者等紹介

井上荒野[イノウエアレノ]
1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。1989年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞。2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞受賞。2008年『切羽へ』で第139回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

137
久しぶりの井上荒野さん。こちらも集英社さんの「ナツイチ」にて気になった作品です。数年前の一時期、井上さん作品にすっかり魅了され、ハマってしまい、’固め’読みしたくらい作者さんの作風にはある意味、信頼が持てます。絲山さんほどヒューマンかつコメディではありませんが、どこかセクシーで哀しく、儚げでありながらお涙頂戴ではないところが好きです。本作も内容、趣旨が様々な7編からなる短編集ですが、どの作品もどこかに相変わらず「生」と「性」が共存するかのような内容になっています。個人的には「病院」が一番ステキでした。 2015/07/23

ベイマックス

69
ん~ん、残念なことにつまらなかった。何もない小説って印象。2022/01/03

taiko

61
場所がテーマとなった短編集。最初の話を読み終えた時に、え?これで終わり?と拍子抜けしましたが、全体的にそんな感じの話ばかりで、後半は、そのスタイルにも慣れ、逆に想像力が刺激され、楽しめました。嫌な気持ちになる話が多いけれど、ちょっと癖になる感じが、私は嫌いではないです。最後の「病院」だけは、きちんと結末があり、良い感じにまとまっていましたが、そこまでの過程が辛くて、息子を持つ身としては、読むのが辛かったです。2016/06/05

青木 蓮友

54
ひとつ読むたびに「ぬえー」「ぐおー」と声が出た。苦しすぎ。お話でぐらいすっきりと、はっきりさせてくださいよというかんじだ。ここには、この現実そのものそっくり描かれていたと思う。良いも悪いも千変万化。答えなぞあるはずもなく、渾沌という名の生活が、生命が、一方向にリズミカルに進む。どのお話も本当に心底嫌だったけれど、唯一「病院」だけはほんの少しだけ救われたような気分になった。それにしても珍しい、あまり感じたことのない読後感。これをいったいどうしろと?世の中にはいろんな人がいるんだな、しみじみしてしまった。2015/11/24

まーちゃん

50
想像をかき立てられるタイトルと読み友さんのレビューに惹かれて。ネガティブな気分を繋いだグルーミーな話ばかり。それなのにとても読みやすい。身に覚えのある、共感しなくもない、あまり歓迎したくない感情たち。私には、わざわざそこへ行く強さはない。帰ってこれない気がするから。でも彼女たちは危うげな気配を漂わせながらも、結局ちゃんと戻ってくるように思える。繊細でふてぶてしい、タフな女たち。憧れと嫌悪から、淵に手を掛けそうっと下を覗き込む。面白かったのか不快だったのか読み終わっても分からなかった。2017/06/03

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