内容説明
あの女の凋落を私こそが見届けなければ!切なく愛しい「昭和の生き残りたち」桜草団地の住人たちが大暴走。
著者等紹介
伏見憲明[フシミノリアキ]
著書に『魔女の息子』(第40回文藝賞受賞/河出書房新社)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
54
偶然出会った一冊ですが二編とも他に類を見ないお話でした。不思議な読後感を味わい中。2013/06/17
ジョニーウォーカー
20
心の中でいつもバカにしていた友人が、いつの間にか自分の夢見ていた歌手として成功してしまう。その後、約20年ぶりに再会することとなった彼女に、もし自分ならどういう顔をして会うだろう? そんな想像をしつつ読んだ収録作「爪を噛む女」が印象深い。ヘルパーの仕事をしながら、生まれ育った団地で鬱屈した日々を送る主人公の町田美弥38歳。「こんなハズでは…」という焦りと、友人への激しい嫉妬、そして羨望が入り混じる心の葛藤がリアルで胸が疼いた。同時に「人生の幸せってなんだろう?」と自問せずにはいられなかった。秀逸作。2011/01/03
てふてふこ
18
主人公の同級生が有名人になり、複雑な心境を書いた「爪を噛む女」と、高齢女性が隣人を共に故郷へ行く「団地の女学生」→他人に自分を理解してもらうのは無理だと思いつつ、自分の話をする。大抵そんなもんだろう。爪を噛む女の方が表題作に近いなと思いました。2016/01/02
ららぴぴ
13
「爪を噛む女」が好き。女友達の複雑な嫉妬心を描くのがうまいな。都の相手の話を聞いているようで自分の都合の良い事しか聞いていないところがまた「女友達あるある」で笑えた。2016/06/13
羊のふかふか
13
図書館で何となく借りてきたのですが(*^O^*)良かったです。二話とも実際普通にありそうで…しかも仄くら~い話になりそうなのに,どちらも、読み終えたとき,どこか温かい気持ちになりました("⌒∇⌒")他の作品も読んでみたいです☆2013/05/15